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(写真は、コロナ禍前の2019年6月1日、損害保険ジャパン〈当時は損保ジャパン日本興亜〉本社の面接に訪れた大学生ら=東京都新宿区)
4月末の内々定率6割
まずは4年生の就活の状況です。あさがくナビの4月末時点の内々定率調査を文理別に見ると、文系49.7%、理系71.0%で、理系は前年同期より7.7ポイントも高くなりました。就活を続けている人も文系84.2%に対し、理系は58.0%。内々定を得た企業の数は、全体の平均で2.31社でした。大企業の多くは6月第1週の最終面接でほぼ内々定を出し切りますから、ここが勝負です。最終面接ではあらゆる質問が飛んでくる可能性がありますが、押さえておくべきポイントもあります。初期の面接が第1印象や人柄、コミュニケーションを重視するのに対し、最終で決定的に大事なのは「志望度と熱意」です。ただ、やみくもに熱く訴えるだけでは通じません。今からでもできること、ライバルに差をつけられる秘策を以下の「編集長動画」にまとめてあります。ぜひ参考にしてください。
●「就活のポイント講座」⑧絶対差がつく!簡単!記事DBで調べる企業研究《前編》
●「就活のポイント講座」⑧絶対差がつく!簡単!記事DBで調べる企業研究《後編》
●「就活のポイント講座」⑨まだ間に合う!最終面接までにやるべきこと《前編》
●「就活のポイント講座」⑨まだ間に合う!最終面接までにやるべきこと《後編》
苦戦していて、内々定が一つもないという人も悲観する必要はありません。内々定率調査は、インターネットでの任意の調査なので、就活がうまくいっている人ほど積極的に答える傾向があります。実際には、まだ内々定ゼロという人はもっと多い可能性が高いのです。さらに、後で書くように企業の採用意欲は高まっていて、思うように採用できない会社もたくさんあります。中堅・中小企業の採用は、これからが本格スタートです。
(写真は、神戸市のケンミン食品の面接の様子。今年の最終面接は多くが対面になりそうだ=2020年6月1日、神戸市中央区)
3年生は夏インターンに積極参加を
次に3年生です。あさがくナビ2024などのインターンシップサイトは4月にオープンしたので、すでに登録を済ませている人もいると思いますが、本格スタートは6月1日です。詳しいインターン情報が公開され、企業はみなさんの個人情報を取得できるようになります。「3年生になったばかりなのにもう就活かあ」という嘆きは分かりますが、ここでのスタートダッシュで差がつくのが現実です。1社、2社ではなく、できるだけ多く参加することをお勧めします。「まだどんな業界がいいか分からない」という人にこそ、夏インターンは一歩目を踏み出すチャンスです。ちょっとでも気になる会社の説明を聞き、とりあえずエントリーしてみましょう。動かなければいつまで経っても分からないまま。やっているうちに会社のことや自分がやりたいことが見えてきますよ。志望業界が定まっていなくても、まずエントリーシート(ES)を書いてみる、面接を受けてみてください。最初からうまくいく人なんてそういません。ダメだったら大学のキャリアセンターに行ってアドバイスしてもらいましょう。失敗から学んでいけば必ず成功をつかめます。憧れの企業、志望業界が定まっている人は、どんどんエントリーしてください。でも、人気企業のインターンは募集人数が少なく、本番の選考より狭き門というケースも少なくありません。違う業界や一見地味なBtoB(企業間取引)や中堅・中小企業にも目を向けましょう。選考なしで参加できる会社もたくさんあります。
冒頭に紹介した2023年卒の内々率調査で、すでに内々定を得た学生のインターン参加社数を見ると、最も多かったのは「10社以上」で3割を占めました。内々定の有無で比べると、「内々定あり」学生の平均6.56社に対し、「内々定なし」は平均3.91社。インターンに多く参加した学生ほど内々定を得る確率が高い傾向があることが分かります。多く参加すれば早期選考に呼ばれるチャンスが増え、ES提出、面接の経験を重ねて自己分析も深まります。業界・企業研究が進むのでミスマッチが減る効果もありますよ。
就活の「仲間づくり」もインターンの大きな効用です。多くの学生が「インターンで知り合った仲間と連絡を取って情報共有しました」と振り返ります。同じ業界を目指す学生はライバルですが、支え合い、刺激を与え合う仲間でもあります。ひとりでやる就活ほどつらいものはありませんから。
(写真は、DX〈デジタルトランスフォーメーション〉を得意とする学生を集めた三井物産のインターンシップ=2021年3月、東京・大手町の同社)
就職率は横ばい、大卒求人倍率はアップ
最後に、就活戦線全体の状況について。2022年春に卒業した大学生の就職率(4月1日時点、厚生労働省・文部科学省調査)は95.8%で、前年卒に比べて0.2ポイント下がりました。過去最高だった2020年卒の98.0%から2年連続の低下ですが、ほぼ横ばいです。地域別では、北海道・東北が93.4%と前年比3.6ポイント、中国・四国も92.2%で2.3ポイント下がるなど地方の悪化が目立つ一方、関東は0.9ポイント上昇して96.7%でした。
一方、2023年卒の大卒求人倍率(リクルートワークス調べ)は、1.58倍で、前年の1.50倍より少し良くなりました。大卒求人倍率は就職希望者数を求人数で割ったもので、学生1人あたりの座れる椅子の数と考えてください。最近では「超売り手市場」ともいわれた2019年卒の1.88倍が頂点で、その後3年続けて下がりましたが、今回は久々にアップしました。コロナ後をにらんで企業の採用意欲は高くなっています。みなさんには明るい兆しですが、ロシアのウクライナ侵攻の影響もあり、経済の先行きは不透明です。日々のニュースに注目してください。
1~2年生のみなさんは、こちらも読んでみてください。
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