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「就活ニュースペーパー」はゴールデンウィーク期間中、更新をお休みします。5月9日(月)の「週間ニュースまとめ」から再開する予定です。
21万円→30万円の企業も
最近の朝日新聞の記事から、2022年春の新入社員の初任給を上げた企業を紹介します。◆大成建設 初任給を前年より1万円上げ、大卒は25万円、院卒は27万円に。同社は「建物やインフラの安全を守るためには技術職の確保が不可欠」と説明。建設業界では人手不足が慢性化しており、「業界としての魅力も高めたい」(広報)。
◆鹿島建設 初任給を大卒、院卒ともに5000円引き上げた。
◆セコム 初任給を一律3000円アップ。広報担当者は「コロナ後を見据えた。通信やセンサーを使った機械警備が主力になっており、研究開発など技術者を強化したかった」。
◆ダイキン工業 7年ぶりに初任給引き上げ。大卒は23万5000円と1万円アップ。広報担当者は「優秀層の人材を獲得するため」と話す。同社は換気ができるエアコンの売り上げが好調。
◆阪急阪神百貨店 1万円引き上げて22万2000円に。「ベースアップなどで社員全体の給与が上がる中、初任給の賃金体系を見直した」(広報)。3月期決算は10億円の営業赤字を見込むが、人材への投資を重視する。
◆旭酒造 純米大吟醸酒「獺祭(だっさい)」で知られる山口県岩国市の酒造メーカー。大卒社員(製造部)の初任給を昨春の21万円程度から30万円に大幅アップ。輸出が好調で、2026年度の製造部の平均基本給を2021年度の2倍とする方針。
◆バンダイ 年収に占める月給の割合を増やす報酬制度見直しで、大卒初任給を従来の月22万4000円から29万円に。同社の年収には毎月の給与とボーナスが含まれる。
リクルートワークス研究所が2021年12月に発表した調査では、初任給の引き上げに「すでに取り組んでいる」企業が21.8%、「取り組む予定である」企業が22.7%にのぼりました。
IT人材は新人で年収1000万円も
DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI(人工知能)の進展で、とくにIT人材の獲得競争は激しくなっています。コロナ前から、NECが優秀な研究者には新入社員でも年収1000万円以上を支払う制度を導入、ソニーがAI人材の初年度年収を最大730万円とするなど、話題になってきました。この流れはさらに強まりそうです。大和証券は2022年4月入社から、初任給を月40万円以上(30時間分の固定残業代含む)にする制度を始めました。自社の資金で株や債券を運用する自己売買部門のトレーダーやIT分野に携わる「高度専門職」が対象です。それまでの総合職の基本給は25万5000円でした。成果重視の報酬体系でトレーダーなら年収5000万円になることもあるそうです。
年収ランキングは総合商社、コンサルが断トツ
初任給は募集要項に明示されていますが、入社してから給料がどのくらい上がるのかは書いてありません。東洋経済新報社の「業界地図」には業界別の年収ランキングが載っているので参考になります。◆2022年版「最新年収ランキング」のトップ10(東洋経済が推計した国内上場企業の40歳平均年収)
①総合商社 1257万円
②コンサルティング 1246万円
③海運 896万円
④医薬品 816万円
⑤不動産・戸建て・マンション 812万円
⑥建設 808万円
⑦半導体・製造装置・半導体材料 792万円
⑧飲料・乳業・酒類 786万円
⑧ゲーム 786万円
⑩ITサービス・クラウド 785万円
総合商社とコンサルティングが断トツで、就活生に人気があるのも分かりますね。全業界の平均は658万円で、500万円を下回る業界もいくつかあります。
(写真は、「業界地図」と「就職四季報」)
ライバル会社を比べてみよう
「就職四季報」(東洋経済新報社)の冒頭には「平均年収ベスト100」の企業も載っています。
◆2023年版「平均年収ベスト10」の上位10社(カッコ内は平均年齢)
①キーエンス(電機・事務機器) 1751万円(35.8歳)
②ヒューリック(不動産) 1708万円(39.4歳)
③三菱商事(商社・卸売業) 1678万円(42.7歳)
④伊藤忠商事(商社・卸売業) 1628万円(42.0歳)
⑤三井物産(商社・卸売業) 1483万円(42.0歳)
⑥東京建物(不動産) 1389万円(42.6歳)
⑦住友不動産(不動産) 1363万円(43.2歳)
⑧住友商事(商社・卸売業) 1356万円(42.7歳)
⑨ファナック(機械) 1314万円(40.2歳)
⑩東京エレクトロン(電子部品・機器) 1309万円(44.3歳)
初任給の後の給料の上がり方はさまざまです。「就職四季報」の各社ごとのページに「25、30、35歳賃金」を明示している企業もあり、ここを見ると年齢とともに給与がどう増えていくかのイメージをつかめます。最近は「能力・成果主義」の給与体系の企業が増えています。35歳については「最低~最高」額を載せている会社もあります。能力や成果をどの程度重視し、人によってどのくらい差がつくのかが分かります。巻末には1057社の初任給が業界別に載っているので、同じ業界のライバル社の違いを比較できます。「業界地図」も「就職四季報」も大学のキャリアセンターに置いてあるはず。思いっきり活用しましょう。
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