2022年04月25日

吉野家幹部が不適切発言 業界・企業のおかしな文化に染まるな【週間ニュースまとめ4月18日~24日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 早稲田大学の社会人向け講座の講師をした吉野家ホールディングスの常務の発言には驚きました。「生娘」「シャブ漬け」などという表現もさることながら、女性や地方を下に見る目線があり、ウケを狙ったとしても今どき許される発言内容とはとても思えません。ただ、これほどひどくなくても、こうした「ワルぶる」文化自体は少し前まであちこちにあったと思います。たとえば、官僚の世界では「犯す」とか「強姦する」という言葉が非公式な場でよく使われていました。強い反対を押し切って実現させるという意味で、「環境省が経済産業省に強姦された」などという使い方です。かつての官僚の世界は「男世界」であり、またワルぶった人が「できる人」として評価されることがよくあるため、こうした表現が大手を振ってまかり通っていたのだと思います。11年前、官僚がこの表現を半ば公的な場で使って問題になったことがあり、今では聞かれなくなりましたが、業界や企業の文化の中にこうした今ではありえない表現が残っている可能性はないでしょうか。この常務はマーケティングの専門家だったそうですが、マーケティングの文化の中に消費者を見下すような文化はまったくないのでしょうか。就活生のみなさんは古い世代より差別的な表現に敏感だと思いますが、就職すると、業界や企業の文化に染まりがちです。その文化の中におかしなところがあれば、思いきって「おかしい」と声を上げるようにしましょう。(ジャーナリスト・一色清)

【社会】吉野家HD、不適切発言の常務取締役を解任 「到底許容できない」(4/19.Tue)

 吉野家ホールディングス(HD)は19日、社外で不適切な発言をしたとして、牛丼チェーンの子会社、吉野家の伊東正明・常務取締役を18日付で解任したと発表した。吉野家HDの執行役員からも外した。伊東氏は早稲田大であった社会人向け講座で、若い女性層に吉野家を継続利用してもらう戦略を「生娘をシャブ(薬物)漬け」などと表現していた。吉野家HDなどによると、伊東常務は16日に早大であった「デジタル時代のマーケティング総合講座」の講師だった。その際の発言の一部がネット上に公開され、「田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢(むく)、生娘なうちに牛丼中毒にする」などと述べたとされた。吉野家HD広報は取材に「そういった趣旨の発言をしたのは事実」と認めている。

【経済】貿易統計、8カ月連続の赤字 ウクライナ情勢悪化で資源高、円安も (4/20.Wed)

 財務省が20日発表した3月の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は4124億円の赤字だった。赤字は8カ月連続で、3月としては2014年3月に次ぐ過去2番目の赤字幅だった。ウクライナ情勢の悪化などで資源価格が一段と上昇したところに円安も重なり、輸入価格を押し上げたことが響いた。2021年度を通した統計も発表され、貿易収支は5兆3749億円の赤字だった。赤字は2年ぶりで、赤字幅は過去4番目だった。
 急速に進む円安は20日も一時、1ドル=129円台前半と、対ドルで20年ぶりの水準まで下落した。背景には日米の金利差の拡大があるものの、市場関係者の間に広がるのは想定以上に急速に進む円安への困惑だ。投機的な円売りの動きを指摘する声も出てきている。(4/20.Wed)

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【経済】米ネトフリ、有料会員20万人減 ロシアでのサービス停止が要因(4/19.Tue)

 米動画配信大手ネットフリックスが19日発表した今年1~3月期決算では、世界の有料会員数が過去10年で初めて減少に転じた。競争の激化や家庭内などでアカウントを共有して無料で見る利用者の増加で、売上高の伸びは1ケタ台に鈍化した。コロナ下の「巣ごもり効果」で急成長してきた同社が、逆風にさらされている。3月末の有料会員数は2億2200万人で、前年12月末から20万人減った。約250万人の増加を見込んだ当初予想を大きく下回った。ロシアでのサービス停止が約70万人の減少要因となったという。同社は4~6月期、さらに200万人の減少を予想している。
 米株式市場で、動画配信大手ネットフリックスの株価が20日急落し、終値は前日比で35%下落した。1日で同社の約540億ドル(約7兆円)分の時価総額が吹き飛んだ。(4/20.Wed)

【国際】G20、共同声明まとめずに閉幕 ロシア代表の発言に米国など退席も(4/20.Wed)

 ロシアのウクライナ侵攻後初めて開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は20日、共同声明をまとめずに閉幕した。米ワシントンで開かれた会議では、西側諸国の反発をよそに参加したロシアに米国などが抗議の退席をするなど、参加国間の亀裂が表面化。世界経済の減速が不安視されるなか、G20の機能不全をあらわにした。
 米ワシントンで開かれた国際通貨基金(IMF)の助言機関、国際通貨金融委員会(IMFC)は21日午前(日本時間21日夜)、共同声明の採択を見送った。ロシアによるウクライナ侵攻を非難する内容に、ロシアが反対したためとみられる。IMFCが1999年に設立されて以来、共同声明を採択できなかったのは初めて。(4/21.Thu)

【社会】26人乗った観光船が「浸水」、海保など現場へ 北海道・知床沖(4/23.Sat)

 第1管区海上保安本部(小樽市)によると23日午後1時13分ごろ、北海道・知床半島西部沖を航行中の観光船から、「浸水している」との118番通報があった。船は北海道斜里町の「知床遊覧船」が運航する「KAZUⅠ(カズワン)」で、乗員・乗客は計26人。観光船は知床半島西部の「カシュニの滝」の沖合を航行していたという。気象庁によると、観光遊覧船が浸水しているとみられる現場周辺の北海道網走地方には23日午前から、波浪注意報と強風注意報が出ていた。
 北海道斜里町の知床半島沖で乗客・乗員計26人が乗った観光船「KAZUⅠ」が行方不明となった事故で、第1管区海上保安本部は24日、海上や岩場で10人を見つけたと発表した。男性7人、女性3人で、いずれも死亡が確認された。斜里町幹部によると、乗客は北海道のほか、福島、東京、千葉、岐阜、大阪、兵庫、香川、福岡の各都道府県などから訪れていたという。カズワンは、23日午前10時にウトロの港を出発。知床岬まで航行した後、3時間で戻ってくるコースだった。しかし午後1時13分以降、同本部に「浸水した」との通報があり、「エンジンが止まった」「バッテリーが使えない」といった状況が伝えられた。その後、「船体が30度傾いた」という情報が同社に入ったのを最後に、連絡がとれなくなったという。(4/24.Sun)

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