(写真は、「はやぶさ2」の模型と津田雄一プロジェクトマネージャ=2020年12月6日、相模原市中央区)
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(写真は、「はやぶさ2」の模型と津田雄一プロジェクトマネージャ=2020年12月6日、相模原市中央区)
6年50億キロの旅
(写真は、豪州上空で大気圏に再突入したはやぶさ2のカプセル〈動画から約30秒分を合成〉=2020年12月6日午前2時30分ごろ、豪南部グレンダンボ近郊)
関わった企業は
【NEC】機体の設計・製造、イオンエンジン、小惑星からの熱放射を調べる中間赤外カメラ
【三菱重工業】探査機の姿勢を制御する装置
【富士通】軌道決定システム、地上データ伝送システム
【IHIエアロスペース】小惑星の表面に人工クレーターを作る衝突装置、岩石などのサンプルを入れる特殊カプセル
【住友重機械工業】岩石や砂などの試料採取装置
【古河電池】探査機の電源となるリチウムイオン電池
【明星電気】水や有機物の存在を調査する近赤外線 分光計、衝突実験を撮影する理学観測分離カメラ
【日本工機】クレーターをつくる衝突装置の心臓部にあたる円錐(えんすい)形の「爆薬系」
衛星事業「2強」はNECと三菱電機
「はやぶさ2」を打ち上げたH2Aロケット、次のH3ロケットの開発、打ち上げ業務は三菱重工が担っています。2021年春にはH3が初飛行する予定。H2Aより打ち上げ能力を高め、民生品を多用して費用を半額の約50億円に抑えます。
(写真は、H2Bロケット最後の打ち上げ=2020年5月21日、鹿児島県の種子島宇宙センター、三菱重工業提供)
宇宙プロジェクト続々
米国の宇宙プロジェクトの中心はすでに民間企業で、国際宇宙ステーション(ISS)の商業利用も本格化しようとしています。11月にISSに野口聡一さんを送り込んだのは、米宇宙ベンチャー「スペースX」の民間ロケットでした。米航空宇宙局(NASA)は2019年、ISSの民間利用を促進させる商業化計画を発表。一定の健康基準を満たし、事前に訓練を受けることを条件に、複数人が年2回、最長30日滞在できることになりました。旅行で訪れることもでき、1泊約3万5000ドル(約370万円)の宿泊費も公表しました。米企業「アクシオム・スペース」はISSを訪れるツアーを計画していて、早ければ2021年後半にも最初の乗客がISSに8日間滞在する予定です。2024年には宇宙ホテルとして使われる居住施設を打ち上げてISSに取り付ける計画です。
(写真は、日本の無人輸送船〈左〉が、月を回る宇宙ステーション「ゲートウェー」に接近するイメージ=JAXA提供)
「宇宙放送局」開設
(写真は、ISSの日本実験棟「きぼう」。日の丸がある船内実験室の上に機材などを収容する円筒形の保管室がある=JAXA、NASA提供)
宇宙ベンチャーに注目
ispace創業者の袴田武史CEOは2019年、朝日新聞のインタビューにこう語っています。
「地球で人間が豊かな生活を送るためには、もはや宇宙の活用は避けられません。人工衛星を活用したGPSは車のナビやスマートフォンの地図機能を充実させました。映像データによって農作物を監視する取り組みも始まっています」
「2040年には月に街ができて1000人以上が住み、年1万人が訪れる『ムーンバレー構想』を私たちはつくりました。イメージは、研究者らが常駐して観光客も多い今の南極が近いですね。資金繰りや技術面でのハードルはありますが、先頭に立って環境づくりを進めていきたいと思っています」
SF映画の中の世界がもう実現間近です。宇宙に関心がある人は、ベンチャー企業に注目して調べてみましょう。
(写真は、「HAKUTO-R」月着陸機の最終デザイン=ispace提供)
●宇宙ビジネスについては「トヨタが月面探査車開発へ 宇宙ビジネスに関わる会社はここだ!」(業界研究ニュース)も読んでください
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