(写真・2022年11月にChatGPTを公開したオープンAIのサイトトップページ)
(写真・2022年11月にChatGPTを公開したオープンAIのサイトトップページ)
そもそもチャットGPTって?
オープンAIは3月、最新の言語モデル「GPT4」を公開。マイクロソフトは2月、パソコン向けの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ11」に、チャットGPTの技術を使った検索エンジン「Bing(ビング)」を搭載すると発表し限定公開しました。LINEもチャットGPTを活用したアプリ「AIチャットくん」をすでに公開しており、ログインが必要なチャットGPTより手軽に使えます。GPTに対抗して、グーグルは対話型AI「Bard(バード)」を、メタ(旧フェイスブック)も「LLaMA」を近く一般公開すると発表するなど、開発競争が激化しています。
AI弁護士、AI答弁……
国会ではチャットGPTを使って質疑をする場面がありました。野党・立憲民主党の中谷一馬衆院議員が事前に「法律案に関して、首相にどんなことを質問すべきだと考えていますか」とチャットGPTに尋ね、得られた質問をそのまま読み上げました。岸田文雄首相が答弁した後、中谷氏は事前に「あなたが日本の首相ならどう返答するか」と尋ねて生成した首相答弁案をパネルで示し「首相の答弁よりも誠実でピントが合っているんじゃないか」と評価。首相は自身のほうが「より実態を反映した答弁をしたのではないか」と自賛しましたが、何度問われても同じ答えを繰り返して議論が深まらないと指摘される岸田首相の答弁に一石を投じた形です。
自民党は、AIに関する政策の司令塔機能を定めることなどを盛り込んだ提言案をまとめ、行政でのAI活用として国会答弁の下書きや議事録の作成などを挙げました。省庁の官僚が大臣の国会答弁作成のために長時間労働を強いられていることが問題になっており、政府に限らずこうした業務の効率化に利用されるようになりそうです。
偽情報と個人情報漏洩のリスク
教育の現場では、学生がチャットGPTに宿題をさせる問題が起きています。米国の調査では、18歳以上の学生の89%以上が宿題でチャットGPTを使ったことがあると回答しました。ニューヨーク市の公立学校やフランスの名門大学で利用を禁止するなど、制限も広がっています。
日本の文部科学省は、学校での活用方法や注意点をまとまた指針を作る方針を固めました。すでに試行的に授業で使われ始めている一方、読書感想文の宿題をチャットGPTに書かせるといったケースも想定されているからです。一律に禁止したり活用を求めたりはせず、回答を批判的に捉えたり、子ども自身の考えを深めたりする道具としての使い方や留意点を示す方向です。
(写真・米オープンAIが公表した安全対策=同社サイトから撮影)
高収入の仕事が奪われる?
チャットGPTは私たちの仕事にどんな影響を及ぼすのでしょうか。オープンAIなどが公表した論文は、米国の労働者の約19%が業務の半分以上をより短い時間でこなせるようになる一方、高学歴で高い賃金を得ているホワイトカラーの仕事ほど最新のAI技術の影響を受けやすい、と指摘しています。科学やクリティカルシンキング(批判的思考)などの能力はAIの影響を受けにくいものの、プログラミングやライティング能力は影響を受けやすいと分析。業種別では、会計士、数学者、通訳、記者などの職種がAIの影響を受けやすい一方、調理師や皿洗いなどの業種は影響を受けにくいとの見方を示しました。
課題も心配も山のようにありますが、対話型AI開発の流れは止まらないでしょう。メリット・デメリットを考えたうえで、どううまく使うかが大切です。
(写真・オープンAIのGPT4のデモ画像では、多くの風船の画像と共に「もしひもが切られたらどうなるか」と質問すると、「風船は飛んでいく」と回答する例が示された)
ES頼んだら…
私もチャットGPTに登録して、試しに「マスコミに提出するエントリーシートのポイントは?」と打ち込んでみました。30秒ほどでこんな回答が表示されました。
マスコミに提出するエントリーシートのポイントについては以下のようなものがあります。
1. 現在の状況や志望動機の明確な表現 エントリーシートには、自分がどのような状況にあるのか、なぜそのマスコミに入社したいのかという志望動機を明確に表現することが重要です。
2. 個性的なアピール マスコミ業界は競争が激しく、多くの人が同じような志望動機を持っていることがほとんどです。そのため、自分自身の個性や特徴をアピールすることが重要です。
3. 過去の実績や経験の紹介 自分自身の経験や実績を紹介し、それがマスコミ業界での仕事に役立つことをアピールすることが大切です。また、その経験を通じて得たスキルや知識も示すことが望ましいです。
4. コミュニケーション能力のアピール マスコミ業界においては、コミュニケーション能力が重要なスキルの一つです。そのため、自分自身のコミュニケーション能力をアピールすることが望ましいです。
5. マスコミ業界に関する知識のアピール マスコミ業界には独自のルールや知識があります。自分自身がその業界に興味を持っており、その知識を持っていることをアピールすることが望ましいです。
以上が、マスコミに提出するエントリーシートのポイントになります。これらのポイントを意識しながら、自分自身をアピールするエントリーシートを作成することが重要です。
一般論としてまっとうな意見が返ってきた印象です。自分の具体的な経験などを打ち込んで「ESを書いて」と打ち込めば、それなりに整った文章を書いてくれることでしょう。参考に使ってみることは否定しませんが、チャットGPTにとってはしょせんひとごとです。そのまま提出したら、どこかで痛い目に遭いかねないと思います。あくまで参考にとどめ、自分の頭で考えた熱意を込めた表現で勝負してくださいね。
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