(写真は、「新卒応援ハローワーク」のチラシ)
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内定取り消し急増
内定を取り消されたら?
内定取り消しについて、谷真介弁護士による解説が朝日新聞デジタルに載っています。要点を紹介します。
◆内定の段階で労働契約が成立しているため、内定取り消しは基本的に解雇と同じ。
◆会社側の事情での内定取り消しは原則として無効。学生側に最終学歴や資格などの詐称、大学を卒業できなかったといった事情があれば、契約の前提となる条件違反となるため、会社は内定を取り消すことができる。
◆新型コロナの影響で会社が倒産しかねない状態であっても、取り消しが認められるためには、①内定取り消しの必要性 ②会社が内定取り消しを回避する努力を尽くした、といった要素をふまえて妥当性が厳しく判断される。
◆会社が内定者に内定辞退を勧めるケースもあるが、安易にその場で同意すべきではない。家族や弁護士などと相談する。
◆会社側が話し合いに誠実に応じない場合、取り消しは無効だとして内定者の地位確認を求める訴訟を起こしたり、損害賠償を求めたりすることもできる。
つまり、会社の都合で安易に内定を取り消してはいけないと、法律や判例で保護されているのです。内定取り消しを告げられても簡単に諦めないことです。まずは大学のキャリアセンターやハローワークに相談しましょう。厚生労働省は内定取り消しをした企業などにはハローワークへの連絡を求めていて、雇用維持のための企業に対する助成金の拡充などについて説明して再考を求めると、撤回する例も複数あるといいます。
内定取り消し者を追加・臨時募集する会社も
この非常事態を受けて、4月1日入社の直前に内定を取り消された人や突然解雇された人を対象に、新入社員や職員の追加募集、臨時募集を始めた企業や自治体もあります。困っている人を助ける社会貢献の意味合いもありますが、それだけではありません。内定を取り消された人はある企業が優秀な学生と認めて一度は採用を決めた人ですから、実は他の企業や自治体にとって魅力的な人材である可能性が高いと考えられます。この数年の「売り手市場」で予定採用数を採りきれず、人手不足に陥っていた企業にとってはチャンスでもあるわけです。募集している企業や団体の情報についてもハローワークが頼りになります。
「内々定」は「内定」じゃない!
学情の2021年卒内々定率調査によると、2020年3月時点(3月1日~10日に調査)で内々定を1社でも得ている学生は15.6%と、前年同時期を3.2ポイント上回りました。とくに理系は19.8%と2割に迫る高い数字でした。今年の就活はスタートが早かったため、新型コロナ問題が広がる前に内々定までこぎ着けた学生が多かったということですね。この時点で就職活動を続けている人は74.8%で、前年同期の97.8%を大きく下回りました。これは、内々定先に就職すると決めて就活を終えた学生がいる一方、新型コロナの影響で就活を始められない学生も多数含まれていたと考えられます。
かつてない異常事態のもとでの就活です。みなさんも大変ですが、企業も手探りで選考を進めていますから、なかなか先が読めません。ただ、4月7日に緊急事態宣言が出てからは、採用選考は今まで以上に思うようには進まなくなります。まだ内々定を得られていない学生は、時間の猶予が少しできてチャンスが広がったと考え、WEBによる説明会や選考に積極的にチャレンジしてください。すでに内々定を得ている学生も、業界・企業によっては安心は禁物です。自分からも連絡をとって状況に変化がないか確認しましょう。さらに、新たに志望業界を広げて選考を受けてみることをお勧めします。
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(写真は、内定式で内定通知書を受け取る学生=2019年10月1日、徳島市の阿波銀行)
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2022/05/20 更新
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