(写真は、日本記者クラブでの党首討論会=2019年7月3日、東京都千代田区)
(写真は、日本記者クラブでの党首討論会=2019年7月3日、東京都千代田区)
そもそも参議院って?
参院の定数は昨年の公職選挙法で6増えて248人。任期6年で、3年ごとに半数を選ぶ選挙が行われます。今回増えるのは半分の3で、選挙後の議席数は245になります。解散がない参院は、長期的視点で議論できるため「良識の府」「再考の府」とも呼ばれます。
衆院選は誰を首相に選ぶかの「政権選択選挙」ともいわれますが、3年ごとに半数を選び直す参院選は政権の「中間テスト」の意味合いがあります。ただ過去には、参院選で大敗して首相が退陣したケースもありました。
(写真は、通常国会閉会日を迎えた参院本会議場=2019年6月26日)
選挙区と比例区
これに対して参院選は、都道府県単位(「鳥取+島根」「徳島+高知」は合区=ごうく)の選挙区と全国一つの比例区の組み合わせです。選挙区の改選数は人口に応じて、最大が東京の6、次いで4(埼玉、神奈川、愛知、大阪)、3(北海道、千葉、兵庫、福岡)、2(茨城、静岡、京都、広島)と続き、1人区が32。計74議席を各候補者が争います。
ちょっとややこしいのが、計50議席を各党が取り合う比例区です。各党が出した候補者名簿には順位が付いていません。みなさんは投票用紙に党名を書いても、候補者名を書いてもOK。まず政党名と候補者名の合計で各党の議席数を決め、次に個人名が多い順に当選者が決まる「非拘束名簿式比例代表制」という仕組みです。そこに今回から、各党の当選議席数の範囲内で、個人名の得票数と関係なく優先的に当選できる「特定枠」が導入されました。
1人しか当選しない小選挙区は大きな政党に有利で、当選に結びつかない死票(しひょう、しにひょう)が多い制度です。一方、全国一選挙区の参院選の比例区は小さな政党でも当選者を出しやすい仕組み。違う制度にして、多様な人を国会に送ろうという考えの表れでもあります。
(写真は、参院選候補者の演説を聞く人たち=2019年7月4日、東京都内)
最大のテーマは「安倍1強」の是非
今回の主な争点についての各党の立場は、表を見てください。ほかにも、各党や各候補者が掲げる政策や争点はたくさんあります。一つでもいいので、自分の生活や将来に関わりそうなことを見つけて、主張を比べてみましょう。朝日新聞デジタルの特集コーナー「2019参院選」では、各党首の第一声や候補者のアンケート回答なども見ることができます。選挙区の候補者の主張は、家庭に配られる選挙公報のほか、新聞の地域面でも連日報じられます。選挙区、比例区で誰に、どの党に投票するか、考える材料がたくさんあります。これから2週間、各党首や候補者の発言をチェックしてください。
もう一つ、今回の参院選の最大のテーマとも言えるのが、「安倍1強」といわれる6年半の長期政権に対する評価です。首相や公明党は「政治の安定」の大切さを強調します。実際、賛否の分かれる重要法案を次々と成立させてきました。裏返すと、野党からの予算委員会開会要求を無視するなど強引な国会運営が目立ち、意味のある深い論戦が減ったといわれています。官僚による「忖度(そんたく)」がたびたび問題になり、財務省による公文書改ざんなどの不祥事を招きました。森友・加計学園問題、統計不正問題などのたびに首相が語った「丁寧な説明」も実行されたとは言えません。
言い換えると、「今の政治のままがいいのか、変えたいのか」。じっくり考えて、判断してみてください。
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2022/05/22 更新
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