2019年07月08日

商業捕鯨再開、韓国向け輸出規制…国際協調から強腰外交へ【週間ニュースまとめ 7月1日~7日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 週間ニュースまとめは1週間に起こった出来事の中で就活生に知っておいてもらいたいニュースを5本選んでいますが、この週は7月1日の出来事を3本選ぶことになりました。3本のニュースには何の関連もありませんが、いずれも国際協調とは逆向きのニュースであることが共通しています。1本目の「日本が31年ぶりに商業捕鯨を再開した」というニュースは、世界各国が参加している国際捕鯨委員会(IWC)から日本が脱退したことによるものです。日本の商業捕鯨を認めないIWCに対し、「もう我慢ならない」と日本が席を蹴ったのです。2本目の「スマホ画面素材などを韓国に輸出しにくくする措置を日本がとった」というニュースは、韓国が徴用工への補償を日本企業に求めている問題への対抗措置になります。日本は戦争の反省から戦後は国際協調を大切に考えてきました。しかし、ここにきて国際協調に反しても日本の主張を通すという強い態度を取り始めています。3本目はイランが核合意を破ったというニュースでした。これはアメリカのトランプ大統領がイランとの核合意から一方的に抜けて経済制裁をしていることに対するイランの対抗措置です。トランプ大統領は「アメリカファースト」ということで、国際協調など知るかとばかりに分断政策を進めています。最近の日本の強腰外交もトランプ流をまねているかのようです。強腰はフラストレーションのたまっている国民からするとスカッとする面はあるかもしれませんが、日本の経済やイメージにダメージを与えるやり方でもあります。多くの企業は「日本は国際協調路線でやってほしい」と思っているはずです。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、商業捕鯨再開後、捕獲した1頭目のクジラがクレーンで水揚げされた=1日、北海道釧路市)

週間ニュースまとめ

【経済】クジラの町、期待と不安の船出 商業捕鯨31年ぶり再開(7/1.Mon)

 鯨肉などの販売を目的とした「商業捕鯨」が1日、国内で31年ぶりに再開した。日本が前日に国際捕鯨委員会(IWC)を脱退したことに伴い、沖合で操業する船団が山口県下関市から、沿岸で操業する船団は北海道釧路市からそれぞれ出発。待ち望んだ再開に期待を寄せる声が上がる一方で、「商業として成り立つのか」との不安も交錯する中での船出となった。

【国際】スマホ画面素材など韓国へ輸出規制 徴用工問題で対抗か(7/1.Mon)

 政府は1日、韓国への半導体製造などに使われる化学製品3品目の輸出管理を4日から強化すると発表した。8月1日をめどに韓国を輸出許可手続きが免除される対象国からも外す。スマートフォン(スマホ)などの電子機器や半導体製造が盛んな韓国にとって日本からの3品目の輸入が制限される打撃は大きそうだ。韓国人元徴用工らへの損害賠償判決問題への事実上の対抗措置となる。輸出管理を強めるのは、スマホのディスプレーに使われるフッ化ポリイミド、半導体基板に塗る感光材のレジスト、半導体洗浄に使うフッ化水素の3品目。いずれも日本が世界シェアの大半を占める。軍用品に使えるため、政府が外為法に基づいて輸出を管理している。韓国向けの場合は政府への輸出許可申請を免除していたが、この優遇措置を受けられる「ホワイト国」から除外する。こうした措置を取る理由について、経済産業省の担当者は「(元徴用工問題の)対抗措置ではない」と説明する一方、「日韓間の信頼関係が著しく損なわれた」ためとした。

【国際】イラン、核合意制限破る 低濃縮ウラン貯蔵上限を超過(7/1.Mon)

 イランのザリフ外相は1日、貯蔵する低濃縮ウランが、核合意で定められた制限量を超えたと明らかにした。イラン学生通信が伝えた。国際原子力機関(IAEA)も同日、制限量を超えたと発表した。2016年1月の合意履行の開始以来、イランが明確な形で制限を破ったのは初めてだ。即座に本格的な核開発につながるわけではないが、敵対する米国との緊張がさらに高まるのは必至だ。

【政治】年金・消費増税・憲法・・・参院選、論戦開始 党首が訴え(7/4.Thu)

 第25回参議院選挙は4日公示された。年金などの老後資産「2千万円不足」問題に端を発した老後不安、消費増税、憲法を主な争点に、21日の投開票に向けた与野党の論戦が始まった。改選数は124、改選後の全議席は245。憲法改正の国会発議に必要な「3分の2」(164議席)をめぐる攻防も焦点だ。昨年7月の公職選挙法改正で参院定数は6増えた。3年ごとに半数が改選され、選挙区74と比例区50の計124議席を争う。比例区では、個人の得票に関係なく優先的に当選できる「特定枠」が導入された。選挙区215人、比例区155人の計370人が立候補を届け出た。

今さら聞けない!?参院選「基本のき」 衆院選との違い、争点は?【イチ押しニュース】も読んでみてください。

【社会】7pay、新規登録を停止 不正相次ぐ、全被害補償へ(7/4.Thu)

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)は、コンビニ最大手のセブン-イレブンで1日から始めた独自のスマートフォン決済「7pay(セブンペイ)」について、利用者の一部が不正アクセスの被害に遭ったことを受け、セブンペイの新規登録を停止すると発表した。クレジットカードやデビットカード、店頭やATMでのチャージ(入金)も停止する。すでにチャージ済みの金額は利用できる。不正の被害は4日午前6時時点の試算で、計約900人、約5500万円。不正の被害については「全ての被害に対して補償を行う」としている。

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