2013年06月26日

少子化、自分の問題として考えよう

テーマ:社会

ニュースのポイント

 政府がまとめた「少子化社会対策白書」で、女性の「晩産化」や男女とも「非婚化」が進んでいることが明らかになりました。少子化対策は社会全体の課題ですが、みなさんも将来、結婚や出産を考えることがあるでしょう。ひとごとと思わず、自分の問題として考えてみてください。

 今日取り上げるのは、社会面(38面)の「少子化白書/晩産化 初産、30歳超す/非婚化 男性2割、女性1割」です。
 記事の内容は――政府は少子化の現状と対策をまとめた「少子化社会対策白書」を閣議決定した。2011年時点で、初めて結婚する平均年齢は夫が30.7歳、妻は29.0歳。第1子出生時の母親の平均年齢は30.1歳で、初めて30歳を超え、「晩婚・晩産化」が進んでいると指摘。2010年時点の生涯未婚率(50歳時点の未婚率)は男性20.14%、女性10.61%で、男性が20年前の3.6倍、女性は2.5倍だった。少子化が進むと人口は減り続け、長寿化とあわせて、高齢者の割合が増加。年金や医療にかかる費用を主に負担する現役世代が減る一方、使われるお金は膨らみ、社会保障制度の維持が難しくなる。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 結婚するかしないか、いつするか、子どもを産むか産まないか、いつ産むか……いずれも、個人の自由で、周りがとやかく言う問題ではありません。ただ、国立社会保障・人口問題研究所が、夫婦に子どもを何人ほしいか聞いたところ平均2.42人だったのに、実際に産む予定の数は平均2.07人でした。1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は昨年1.41でしたから、実際には産む数は予定数よりさらに少ないでしょう。子どもを持ちたい人が持てない社会は、理想からは遠いと言わざるを得ません。

 同研究所が、なぜ実際に産む予定が少ないか聞くと、6割の夫婦が「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」と答えたそうです。安定した収入が得られず、結婚したくてもできない人もいるでしょう。30歳代の男性では、正規雇用だと7割弱が結婚しているのに、非正規の場合は24%にとどまっているという調査結果もあります。少子化、晩産化、晩婚化、非婚化は、児童手当や高校の授業料無償化、保育所の待機児童解消などの子育て支援、若者の雇用の安定、働き方といった課題や政策に直結しているのです。

 少子化は、社会の問題を自分に引きつけて考える格好のテーマです。みなさんが将来、結婚や出産を考えたとき自由な選択ができるように、少子化をめぐる社会のあり方、制度や政策について、注目し考えるようにしてください。就活でも、作文やグループディスカッションなどの題材になるかもしれませんよ。

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