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合格率「男子9%、女子3%」
大学関係者によると、女子の合格者数の目標は「全体の3割以下」。「女性は出産や子育てを機に医師をやめるケースが多い」からだと言います。東京医科大卒業生の多くは大学病院や系列の病院で働きますが、女性は当直や緊急手術のある外科や救命救急、地方への派遣を敬遠する傾向もあるそうです。
東京医科大だけじゃない?
実は、募集要項に男女比の調整を明記すれば、入学定員を男女ごとに設定することは可能です。女子大がたくさんあるほか、女性が少ない理系の学部で「女性枠」を設けて優先的に合格させる大学もあります。ただ辻村みよ子・明治大教授は、こうした特定の受験生を優先する「ポジティブ・アクション(積極的改善措置)」と、東京医科大のような一律の減点は根本的に異なると指摘。「女性医師が離職しないために両立支援策などが優先されるべきで、それと正反対の恣意的な性差別だ。憲法違反」と断じています。
女性医師の割合は世界標準の半分
厚生労働省によると、経済協力開発機構(OECD)加盟国の女性医師の割合は平均41.5%(2011年時点)。最高はエストニアの73.8%で、英国やドイツも40%超です。これに対し日本は21.1%(2016年)。ほぼ半分しかいません。海外では交代勤務制の導入が進んでおり、男性の育休など働く女性医師を支える仕組みが整っているからだとみられています。日本でも、国立の浜松医科大は、女性医師の増加にともなって出産後に復帰するときには業務量が少ない仕事や学生の指導担当を選べるようにするなど工夫していて、担当者は「うまく回っている。合格者の男女比を調整する必要はない」と話しています。
採用試験でも10年前には…
さて、みなさんが挑む企業の採用試験に同じような男女差別はないのでしょうか。かつては、女子学生はそもそも受けることもできないような企業がたくさんありましたが、1986年に男女雇用機会均等法が施行されてから性差別は禁じられ、表向きは露骨な差別はできなくなりました。それでも、私が朝日新聞社の採用担当部長をしていた10年ほど前までは、他社の採用担当者と話していると「優秀な順に採っていくと女性ばかりになってしまうから、男子には下駄を履かせている」「女性の採用は3割以下に抑えている」といった声をよく耳にしたものです。
「働き続けやすい会社」見極めよう
ただし、採用試験は会社の利益にかなう人材を採るのが目的。そこに明確な基準はなく面接を中心とした「総合判断」で決まります。「男女のバランス」も判断材料の一つ。個々の会社が実際にどんな判断を下しているのかは「ブラックボックス」ですし、差別が完全になくなったとも思いません。
就活生のみなさんがやるべきことは、目指す会社に結婚や出産、子育てをしながら働き続けられる職場環境が整っているかどうかを見極めることです。会社説明会での表向きの説明だけでなく、OB・OG訪問などで経験者の生の声を聞くのがポイントです。男性にも大いに関係がある話です。女性が働き続けやすい会社は、男性も仕事と家庭のワーク・ライフ・バランスが取りやすいはずですから。
(写真は、女子受験者の一律減点が発覚した東京医科大学)
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