
(写真は、観測史上最高気温を掲示したボード=7月23日、埼玉県熊谷市)



この猛暑で、ビジネスには明暗が出ています。最近の朝日新聞の記事からトピックを拾いました。
◆ダイキン工業は、家庭用エアコンの主力工場である滋賀製作所がほぼフル生産。5年前の酷暑で生産が追いつかなかった反省から、暑くなりそうな年は当初計画からすぐに2割増産出来る体制を整えた。三菱電機もフル操業で7月16日の出荷台数は前年比40%増。AI(人工知能)が住宅の性能や外気温を分析し快適な室温を自動的にコントロールする新機種が人気です。パナソニックは17日時点の出荷台数が前年比1.6倍に。日本冷凍空調工業会によると、今年度の家庭用エアコンの国内出荷台数が過去最高だった2013年度の942万台を超える勢い
◆キリンビールの試算では、気温が1度上がるとビール系飲料の売り上げが2.5%、大瓶換算で1日約80万本分増える。同社は7~8月の「一番搾り」の缶を前年より1割増産。サントリービールも7~8月に「ザ・プレミアム・モルツ」の缶を約15%増やす。
◆通販サイト「ヤフーショッピング」では、首にかける持ち運び式の扇風機が前年の38倍、ナイロン製で涼しく感じる抱き枕は2.4倍の売れ行き。
◆空調服(東京)が販売する扇風機付き作業着は「大手ゼネコンではほぼ利用いただいている」(広報担当)。個人での購入も増え、前年比5割増の売れ行きですでに品薄状態。
◆フジッコ(神戸市)の塩昆布は、汗で失われるミネラルの補給源として売れており、「減塩フジッコ」の売り上げが前年比十数%増えた。
◆アイスキャンディー「ガリガリ君」などを製造販売する赤城乳業(埼玉県深谷市)では7月16~18日、アイスクリーム全体の出荷量が前年より4割増えた。
◆井村屋グループは「あずきバ-の出荷量が7月中旬の3連休くらいからヒートアップしている」
◆東急ハンズ名古屋店では、首に巻いて冷やす商品「マジクール」が3連休で約1500個をほぼ完売。7月の半月で昨年の売り上げを超えた。
◆JR名古屋高島屋では、7月14~22日に日よけパラソルの売り上げが前年同期より7割増えた。
7月中旬には東京ビッグサイトで「猛暑対策展」が開かれました。工場、倉庫、商業施設、オフィス、建設現場などでの暑さ、熱中症、臭い、紫外線対策に取り組む企業向けの産業見本市で、今年で4年目です。巨大送風機、熱を遮るヘルメット、着脱可能な「着るエアコン」、バケツ型の小型エアコンなどユニークな商品が並びました。少し前には思いも寄らなかった商品が続々開発されています。
企業は温暖化が進まないような努力をする一方で、猛暑や厳寒に対応する方策を練っています。みなさんも自分なりのアイデアを考えてみてください。これも立派な業界・企業研究です。


2025/11/03 更新
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