2017年06月28日

「キャリア教育」から仕事選び 親の仕事も聞いてみよう!

テーマ:就活

ニュースのポイント

 小学校から大学までの間に、職業を知る「キャリア教育」を受けたことがあると思います。キャリア教育は仕事や生き方について学ぶ機会ですから、就活に直結します。工場や企業博物館見学のほか、身近な親に仕事について聞いてみるのもお勧めです。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、特集面(23面)の「『将来、なんになろう』を学ぶ/自分で考え模索する力をつける、それがキャリア教育/教育評論家・尾木直樹さん=写真」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)です。

「キャリア教育」って?

 今日の記事は、主に小中高校生を対象にしたキャリア教育を取り上げています。みなさんも、学校に企業の人が来て話を聞いたり、社会科見学も含めて、企業や団体を訪問したり、仕事体験をした人も多いのではないでしょうか。今は多くの大学がキャリア教育に力を入れていますし、大学での企業説明会やインターンシップも、仕事を学ぶという意味ではキャリア教育の一つです。

 文部科学省の資料では、キャリア教育を「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と定義しています。「キャリア教育」という言葉が文科省の文書に登場したのは、1999年の中央教育審議会答申「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」だそうで、それ以来、文科省は様々な取り組みをしてきました。みなさんが受けてきたのもその一環です。

きっかけは山一証券破綻

 今日の記事で教育評論家の尾木直樹さんは、かつては、勉強していい大学に入れば良い会社に入れて、生涯安泰だと言われたが、1997年の山一証券の破綻(はたん)でその時代は終わり、そのころからキャリア教育が奨励されたと解説しています。山一証券は当時「4大証券」の一つでしたが、バブル経済崩壊などの影響から顧客の損失を引き取って帳簿に載せずに隠していたことが発覚し、破産、自主廃業した会社です。

 尾木さんは「仕事を含め、自分の人生や生き方について主体的に考える力をつけなければいけないという流れになりました」と言います。

親と話そう

 尾木さんは、保護者など身近な人の話がとても役に立つとも言います。「身近な人の仕事上の喜びや苦労話は、自分の生活にも関わるので子供に深い印象を与えます。自分のキャリアについてよりリアルにイメージするのに役立ちます」と、親子で話し合うといいと言っています。

 みなさんは親の仕事についてどのくらい知っていますか? 自営業なら事業内容までわかっているケースが比較的多いでしょう。でも勤め人の場合、会社名、団体名など勤め先は知っていても、仕事内容まで詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。ふだん仕事のことを親から話したり、子供が尋ねたりすることはなかなかないと思いますが、就活はよい機会です。じっくり、具体的にどんな仕事で、どんな人たちと働き、どんな苦労ややりがいがあるのか、詳しく聴いてみることをお勧めします。働く親は社会人の大先輩。若手社員の話も聞きましょう。会社でESの採点をしたり、面接を担当したりしている人もいると思います。業界や職種にかかわらず、きっと参考になる話がたくさんありますよ。

「おしごとはくぶつかん」も使える!

 今日の記事では、朝日新聞社が学校と企業・団体を結ぶキャリア教育支援プロジェクト「おしごとはくぶつかん」を紹介しています。書籍型の教材は小中学生向けですが、サイト版の「おしごとはくぶつかん情報館」はみなさんにも大いに参考になります。全国の工場、研究施設、テレビ局・新聞社、銀行、企業ミュージアムなど、企業関連の見学可能な施設を検索することができます。ぜひ足を運んでみてください。

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