ニュースのポイント
今年の就活がいよいよ本格スタートし、各地で大規模な合同企業説明会が始まりました。積極的に参加して、たくさんの会社の話を直接聞き、自分に合う会社を見つけてください。
さて、カードをかざすだけで支払いが済む電子マネーによる決済金額が2016年、初めて5兆円を超えました。交通系と流通系のカードが競いながら、今後まだまだ伸びるとみられます。「キャッシュレス」の支払い方法では、多額ならクレジットカード、少額なら電子マネーが当たり前になりつつあります。加えて、銀行が普及をめざす「デビットカード」にも注目してください。(編集長・木之本敬介)
今日取り上げるのは、経済面(11面)の「電子マネー決済 競争激化/昨年 主要8社 初の5兆円超」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)です。
(写真は、あさがくナビの合同企業説明会「スーパービジネスフォーラム」での三井住友銀行の講演=1日、大阪市)
合説スタート!
今朝は、大阪で開かれた合説「
あさがくナビのスーパービジネスフォーラム」のオープニングで、イメージキャラクターの小芝風花さん(ポスター写真)とのトークショーをおこないました。小芝さんは就活はしていませんが、オーディションに臨むときの心構えなど、就活生の参考になるお話をたくさんうかがえました。明日2日は東京・新宿でのスーパービジネスフォーラムにも登場します。ぜひお越しください。今年の就活の特徴と乗り切り方については、「
3月就活解禁!「短期決戦+選考早期化」どう乗り切る?」(2月23日の今日の朝刊)を見てみてください。
電子マネーとクレジットカード
日本銀行がSuica(スイカ)など交通系5社と、楽天Edy(エディ)、イオンのWAON(ワオン)、セブン&アイ・ホールディングスのnanaco(ナナコ)を合わせた電子マネー主要8社の利用実績を公表しました。2016年の決済金額は前年より10.8%増えて5兆円を超え、件数は11.0%増の約52億件でした。
カード決済といえばクレジットカードのほうがずっと多く、日本クレジットカード協会によると、クレジットの利用額は年間約50兆円。電子マネーの10倍の規模です。でも、1000円以下の決済では、電子マネーを使う人がクレジットカードの倍以上いるそうです。手軽な決済で強みを発揮しています。
iPhone7も弾みに
電子マネーはカードだけではありません。2016年10月から、米アップルのスマホ「iPhone7」がSuicaに対応したことが利用者の増加に弾みをつけました。今年1月末までの4カ月で「モバイルSuica」会員は47万人も増えました。
電子マネーで支払うと小銭がいりませんし、手軽で便利ですよね。今後、iPhoneがSuica以外の電子マネーに対応するようになるなどスマホの対応範囲が広がれば、カードもいらなくなり、スマホですべての支払いが済むようになるかもしれません。
銀行はデビットカードに注力
もう一つ、注目してほしいのが「デビットカード」です。デビットカードは、買い物の際に店頭の端末にカードを通し、サインや暗証番号で決済します。買い物額はすぐに銀行口座から引き落とされるので、後払いのクレジットより使いすぎを防ぎやすく、電子マネーのようなチャージの手間がいらないのが特徴です。
三井住友銀行は昨秋から「現金よ、今までありがとう」というキャッチフレーズで、デビットカードの売り込みを始めました。16年前に導入されたもののあまり普及して来なかったデビットカードに銀行業界が再び力を入れ始めたのは、電子マネーに慣れた若者の需要を取り込んで、将来の顧客に育てるためです。銀行には買い物額に応じた手数料が入るうえ、どんな買い物をしているかのデータが集まり、新たなサービスにも行かせるメリットがあります。
伸びるキャッシュレス市場
図は2016年10月21日の朝日新聞に載ったものです。決済金額を比べると、クレジットカードの10分の1が電子マネー、さらに10分の1がデビットカードという構図ですね。日本の消費支出のうち、現金以外の決済は2割足らず。欧米に比べるとずっと低い割合ですから、「キャッシュレス」市場はまだまだ広がるとみられます。クレジットカード会社、電子マネーの交通、流通系の会社、銀行、通信、IT企業など、多様な業界が関わります。「消費者目線」だけでなく、志望する企業側からの「ビジネス目線」で未来のキャッシュレス社会を考えてみてください。
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