ニュースのポイント
今日取り上げるのは、経済面(8面)の「大和証券グループ本社社長に中田氏/メガバンク系攻勢 『独立系』は正念場」と「新トップ2017・大和証券グループ本社社長 中田誠司氏/頭脳派 国内営業に意気込み」です(いずれも東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)。
今日の記事から業界の状況を読み解きます。各社の力量を測る「預かり資産」を比べたグラフを見てください。証券業界はずっと野村が首位、大和は不動の2位ですが、2011年に比べると野村との差は広がっています。一方で、3位以下のSMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のメガバンク系3社が追い上げています。
2016年9月時点の「預かり資産」は野村の99兆円に対し、大和は49兆円と半分。SMBC日興は45兆円と迫っています。この3年間の増減率では、野村9%増、SMBC日興22%増、三菱UFJ16%増、みずほ5%増に対し、大和は3%増にとどまりました。メガバンク系3社は、銀行窓販(まどはん=窓口販売の略)で投資信託の扱いが伸びているそうです。
そんな中で大和の社長になる中田氏が挽回に向けて力を入れるのは、個人営業部門では高齢化で増える相続資産の運用、企業相手の法人部門では積み上がった内部留保の運用――だそうです。中田氏は「年間50兆と言われる大相続時代。主戦場は国内だ」と言っています。大和の目指す方向が伝わってきますね。
大和はかつて三井住友フィナンシャルグループと提携していましたが、三井住友が日興コーディアル証券を買収した2009年に解消してから、「独立系」を維持しています。証券各社を整理します。
◆独立系大手=野村、大和
◆メガバンク系=SMBC日興、みずほ、三菱UFJ
◆ネット系=SBI証券、楽天証券、松井証券など
◆準大手=岡三証券グループ、東海東京フィナンシャルHDなど
系統によって業態が違ううえ、会社ごとに強みや個性が違います。市販の「業界地図」などで、さらに各社の特徴を調べてみてください。金融志望者は、銀行との連携の構図も押さえておきましょう。野村証券の「人事のホンネ」も読んでください。
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2025/02/14 更新
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