ニュースのポイント
今日取り上げるのは、23面の「メダル獲得表」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版)です。
では、GDPとの関係はどうでしょう。メダル1位のアメリカはGDPも世界1位、メダル2位の英国はGDPでは5位、3位の中国は2位、4位のロシアは12位、5位のドイツは4位、6位の日本は3位、7位のフランスは6位、8位のイタリアは8位、9位のオランダは17位、10位の豪州は13位です。どうですか。GDPのランキングはメダル獲得数ランキングとそう大きく違いませんよね。つまり、メダル獲得数ランキングはGDPと相関関係が強いと言えるのではないでしょうか。スポーツの強い国は、人口が多い国ではなく経済力が強い国だということがわかります。
スポーツは余暇がなくてはできません。施設や用具も必要です。いくら人口が多くても生きるのに懸命な国では、スポーツになかなか打ち込めません。やはり豊かな国が強いのです。
でもときどき、GDPとメダル獲得数がかけ離れる国が出てきます。たとえば、1988年のソウルオリンピックです。このときの獲得メダル数1位はソビエト連邦(現ロシアなど)で、2位は東ドイツ(現ドイツの一部)、3位がアメリカです。このときの東ドイツのGDPは、アメリカの数十分の1でした。GDPに比べて突出して多いメダル獲得数には特別な理由がありそうです。あとからわかったことですが、この頃の東ドイツはドーピングが当たり前だったそうです。
2008年の北京オリンピックでは中国が金メダル獲得数で断然トップでした。当時の中国のGDPは世界3位でしたので、大健闘といえます。これは開催国としての強化が実ったということでしょう。今回はGDP5位の英国がメダル獲得2位と大健闘です。こちらも前回のロンドンオリンピックで強化した成果がまだ残っているということでしょう。
日本はメダル獲得数が6位で「今回は大健闘」と言われていますが、GDP3位の国としては物足りないとも言えます。4年後の東京五輪では開催国としてGDPに見合うメダルを獲得できるでしょうか。まあそんなにメダルにこだわることはないと思いますが、いろんな視点でメダルの数を分析できる高いアンテナを持つことは、就活にもきっと役立ちますよ。
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2025/02/07 更新
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