2016年03月02日

転職社員カムバック、夫の転勤先で雇用…多様な制度を知ろう

テーマ:経済

ニュースのポイント

 他社に転職した元社員を再雇用したり、配偶者の転勤先の別の会社で働けるようにしたり、新たな雇用制度を導入する会社があります。転職、転勤、結婚、子育てなど、仕事や生活の環境が変わっても、身につけたスキルをいかしてキャリアを継続できる仕組みです。これから働くみなさんにとって、会社の雇用制度はとても大事です。しっかり調べてください。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、経済面(9面)の「転職社員のカムバック歓迎/オリックス 給与・待遇を保証」です。
記事の内容は――オリックスのグループ12社が2月から「カムバック再雇用制度」を始めた。一定水準の給与や待遇を保証して元社員の復帰を促し、他社での経験をいかしてもらう狙い。元社員を対象にした再雇用制度は大手企業では珍しい。オリックスはエネルギーや農業など事業を多角化しており、異業種に転職した元社員が戻りやすくして優秀な人材の確保につなげる。女性社員が働き続けやすくする制度も始めた。大半が女性の地域限定の総合職と一般職の約3000人を対象に、配偶者の国内外の転勤に伴う休職を最長5年認める。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 就職する前から転職を考えている人は多くはないでしょうが、グローバル化が進み、日本企業の伝統的な終身雇用制度は崩れつつあると言われています。すぐに欧米のようになるとは思いませんが、日本の雇用も流動化の方向にあるのは間違いありません。将来は多くの人にかかわってくるテーマかもしれません。

 正社員の種類も増えてきました。かつては、勤務地も職種もなんでもありの「総合職」と、転勤はなく昇進が限られる「一般職」くらいでしたが、最近は「地域正社員」「エリア総合職」「限定正社員」など選択肢が増えてきました。自分のライフプランに応じて、選んでください。ただ、「正社員」にはこだわって、キャリアを継続できる働き方をオススメします。働き方を中心としたテーマは「あきのエンジェルルーム」でたくさん取り上げています。のぞいてみてください。

 昨年、全国の地方銀行64行が始めた「地銀人材バンク」が話題になりました。結婚や配偶者の転勤、家族の介護などのために勤務している銀行を退職する場合、本人が希望すれば、転居先の別の地銀で働くことができるようにする仕組みです。参加行の人事担当者が名簿を共有し、地元の地銀から転居先の地銀につなぎ、面接などで採用が決まれば、地元の銀行を退職して転居先の地銀に中途採用されます。男性でも女性でも利用できます。

 全国に支店網があるメガバンクなど大手行と違い、地銀は他県の店舗は限られるため、配偶者が転勤すると「退職か別居生活か」の選択を迫られてきました。地銀は47の全都道府県にあるため、この地銀人材バンクを利用すれば、夫婦そろって引っ越して働けるわけです。本人はキャリアを継続できますし、受け入れる銀行も「即戦力」の人材を確保できるメリットがあります。銀行員は融資業務や専門の資格など特有のスキルが多いため受け入れる銀行も歓迎するケースが多いといいます。昨年中に二十数人が人材バンクを利用して転職したそうです。

 地銀以外にも、全国に拠点がある企業で、配偶者の転勤先に異動希望を出せるところもあります。志望先の制度を調べてみましょう。

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