2015年07月29日

面接の緊張ほぐすワザ アスリートに学ぼう!

テーマ:就活

ニュースのポイント

 「面談」などと称する面接を受けている人が多いと思います。この週末8月1日には、いよいよ大手企業の正式な面接も始まります。面接は誰でも緊張します。でも緊張しすぎると、まともに評価してもらえません。どうしたら実力を発揮できるのか。世界の大舞台で結果を残してきたトップアスリートに学びましょう。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、特集面(20面)の「チャレンジA/できるよ 全力出せば/アスリートにきいた どれぐらい練習したの? 試合前の緊張どうすれば?」です。
 スポーツ選手とともに挑戦する心の大切さを学ぶ「チャレンジA」のトークショーで、3人のアスリートが試合に臨むときの心構えを語った。その概要は――
 体操・ロンドン五輪代表の田中理恵さん(写真上) 私は試合の時だけ、気持ち悪いぐらい自分を褒めました。「めっちゃ練習したから大丈夫」と。その代わり、練習ではすごく自分を追い込みました。試合では他の選手の演技を見ると「あの子の方が上手」と弱気になるので、他の選手の演技は全く見ずに、自分の出番まで大好きな歌を歌っていました。
 ラグビー・元日本代表主将の大畑大介さん(写真下) 僕は、試合前の緊張ってすごくいいことだと思っているんですよ。緊張って「こういうプレーができなかったらどうしよう」っていう不安から出る。でも、それは「自分がこういうプレーをしたい」という気持ちの表れ。つまり、自分への期待値がすごく高いってことです。自分に期待していない人は、緊張も何も感じない。緊張は決して悪いことではないんです。現役時代、緊張をほぐすルーティン(決まり事)がありました。まず、グラウンドに入った瞬間にお客さんを見る。いっぱい人がいたら「この人たちに来てよかったと思ってもらえるプレーをしよう」と意識した。報道のカメラの位置も確認したな。「どの辺りにカメラがあるかな、そこに向かっていいパフォーマンスをしよう」って考えていると、不思議とどんどん緊張がなくなっていった。
 卓球・ロンドン五輪銀メダルの石川佳純さん 今でも試合前は手が震えることがある。そういう時は「これだけ練習をやったんだから負けたらしょうがない」と思うようにしています。それに「自分のプレーを全部出さないともったいない」っていう気持ちでやれた時は、自然といいプレーができていました。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 トップアスリートも本番前にはガチガチに緊張するんですね。でも、ここに登場する一流の人たちは、緊張をほぐしたり、緊張しすぎないようにしたり、緊張感をモチベーションに変えたりする「技」を持っています。

 3人とも、試合のためにたくさん練習をしてきた自信を胸に試合に臨んでいます。みなさんの中にも、企業研究や自己分析など、これ以上できないというほどの準備をしてきた人がいるでしょう。田中さんのように自分を思いっきり褒めたり、石川さんのように「もったいない」という気持ちをもったりして、自信をもって面接を受けてください。

 もう一つ、誰にでもできる緊張対策が「ルーティーン」です。大畑さんが試合前に毎回、観客を見たり、カメラの位置を確認したりしていたのがそれです。田中さんが他の選手を気にしないためにも行っていた「出番まで大好きな歌を歌う」のも同じですね。大リーグのイチロー選手が試合前に毎回同じように準備体操やキャッチボールをし、打席ごとに同じ動作をするのは有名ですが、これもルーティーンです。

 数十年前に就活した私にも、企業の面接の前にするルーティーンがありました。面接前には身だしなみチェックも含めてトイレに行きますよね。そのついでに鏡の前で、「ウオーッ!」とか、「よし、絶対通るぞ!」などと心の中で叫びながら、「俺を採らずに誰を採る!」という気合を込めてガッツポーズをとりました。もちろん周りに人がいるときは拳を握る程度に控えめにしましたが、決まり事をすることで緊張感をほぐしつつ、意識してモチベーションを上げたわけです。「就活体験リポート」や「先輩!教えて」に登場する先輩内定者の中には、面接前はいつも好きな同じ曲を聴いていたという人がいます。「なおこの就活道場」を書いているフッキーは、好きなプロレスの入場曲を聴いて気合を入れていたそうです。

 面接で気合はとても大事です。「やる気」や「熱意」が伝わります。面接は真剣勝負の場ですから、普段より少しテンションを高くして臨みましょう。気合を入れすぎると空回りしかねないので注意が必要ですが、テンションが低いと、人を見るプロの面接官に気おされてしまいます。面接する側も、学生が緊張していることはわかっています。ただ、過度な緊張で萎縮したり、殻をかぶったりして素の姿が見えないようでは、評価のしようがありません。

 みなさんも、アスリートの技を参考に、自分なりの緊張のほぐし方や気合の入れ方、緊張感をモチベーションに変えるルーティーンを見つけてください。

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