2015年07月08日

「工学女子」社員に学ぶ 就活の「軸」を見つけよう

テーマ:就活

ニュースのポイント

 理工系の大学・大学院で学ぶ「工学女子」が増えています。先輩の工学女子は、どこで、どんなふうに活躍しているのか。先輩の学生生活、就活、仕事の体験は、男子にも、文系のみなさんの就活にも、大いに参考になりますよ。あなたの就活の「軸」を見つけてください。(編集長・木之本敬介)

 広告特集の概要は――【富士重工業スバル技術本部電子プラットフォーム設計部・大木彩加さんのお仕事紹介】学生時代に私をモノづくりの道へ導いた経験が二つある。一つは研究発表でモチベーションの高い海外の学生と交流したこと。私が戦うべきフィールドは世界だという気持ちが湧いた。もう一つは洋服販売のアルバイトを4年間続けたこと。自分のサービスを誰かに喜んでもらったり笑顔にしたりすることに、やりがいや喜びを感じると気づいた。「お客様が見えるモノづくり」を行う自動車エンジニアという道につながった。

【ヤンマー中央研究所エレクトロニクス開発センター第一商品開発グループ・真﨑裕子さんのお仕事紹介】大学の乗船実習で目にしたヤンマー製の発電機が好きだったのをきっかけに入社。興味と違う部署に配属されたが、世の中思い通りにならないのが当たり前。どんな困難も我慢して続ければ、いつかやりがいを見いだせたり、次につながる何かをつかめたりする。1日、1カ月、1年と仕事に取り組んできた。育休をはさみ悪戦苦闘したが、今では仕事をサポートするツール開発のエキスパートになった自信がある。みなさんも、思い通りにいかなくてもすぐに見切りをつけず、「最大限にやった」といえるくらい頑張ってみて。今しかできないことを大いにやってください。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 理系の女子学生は「リケジョ」とも呼ばれ、「売り手市場」の今、多くの企業が欲しがっています。「リケジョが人気! 『どぼじょ』は『けんせつ小町』に」(2014年10月23日の「今日の朝刊」)でも書きましたが、工学女子やリケジョの活躍の場はどんどん広がっています。

 ただ、大木さんの就活話はリケジョだけでなく、すべての就活生に役立ちます。
 大木さんには就活に際して明確な「軸」がありました。「世界」と「お客様の喜び」です。研究発表とアルバイトという具体的な体験に基づいているだけに揺るぎない信念を感じますし、そこから導き出された「自動車エンジニア志望」にも説得力があるわけです。当時の富士重工の面接で、面接官が大きくうなずく姿まで目に浮かびます。

 広告特集に登場する現役工学女子のみなさんも、すでに軸を見つけています。
 「植物の研究をしてきたので、その技術を生かせる種苗会社、あるいは研究に使用する分析機器の会社を視野に就活中」「ロボット・スーツの設計も行ってきたので、機械部品メーカーや自動車、自動車部品メーカーへの就職を希望」「生物創薬研究室に所属しているので、医薬品に関する企業の研究員になりたい」「教育実習に行って、教育に関わる仕事への関心が高まりました。科学技術と教育、あるいは科学技術と人を結ぶような職業を目指したい」

 研究分野に関わる軸が多いですね。技術職の採用は大学の専門分野に直結するケースが多いですから、軸が見つけやすいのでしょう。

 でも、研究分野が会社での仕事に結びつきづらい文系学部のみなさんも心配いりません。アルバイトやサークル、学業、あるいはこれまでの人生の体験で、興味が湧いたこと、やりがいや喜びを感じたことってありますよね。それが自分の軸になります。仕事選びで「これだけは譲れないこと」と言ってもいいと思います。「モノづくりをしたい」「グローバルに活躍したい」「人と関われる仕事」「チームで働くのが好き」「専門分野を生かしたい」「社会貢献したい」「地元で働きたい」「旅に関わりたい」「文章が好き」……まさに人それぞれ。軸は一つとは限りません。いくつかある人も多いと思います。その軸と業界、会社、仕事を掛け合わせていけば、自分に合った会社が必ず見つかります。見つかっている人は、体験を整理して、面接でストーリーとして語れるように準備しましょう。

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