ニュースのポイント
日本を代表する企業の社長に、消費や生産、自社の商品やサービスについて聞く連載記事「トップが診る」が今日の紙面で終わりました。社長の言葉からは、日本経済の現状や課題とともに、企業の取り組みや強みを知ることができます。業界・企業の最新情報ですから、面接で使えるネタも詰まっていますよ。(編集長・木之本敬介)
今日取り上げるのは、経済面(6面)の「トップが診る/東レ・日覚昭広社長 高機能繊維を海外展開/DMG森精機・森雅彦社長 工作機械、更新需要狙う」です。
インタビューの概要は――東レ・日覚(にっかく)社長 (ユニクロと共同開発する肌着など繊維分野は売上高、利益とも全体の4割を稼ぐ)衣料向けは保温、通気性、吸汗速乾などの新機能を毎年加え、世界に広げていく。中国や東南アジアは生活水準が上がり、「良いもの」を求める層が増えている。繊維では、自動車のエアバッグや紙おむつ向けも伸びる。紙おむつは国によって好みが違う。おむつの部位によって、「吸い取る力が強い」とか「やわらかい」とか、どうきめ細かく対応できるかで他社との差が出る。
DMG森精機・森社長 (工作機械専業メーカー世界最大手)2014年の国内メーカーの受注総額は過去2番目の1兆5000億円。国内では、寿命を迎えた古い機械の買い替え需要が活発。世界では、自動車向けに加え、航空機や発電設備向けが好調。中国は経済成長率の低下が心配されているが、先進国並みの高性能な機械を買う動きが活発になっている。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
「トップが診る」は6月23日から今日まで8回掲載され、16人の社長・会長が登場しました。昨日までの14人分の見出しに、業界分類を加えて紹介します。
【食品】明治ホールディングス・松尾正彦社長 「健康」だけでは続かぬ
【アパレル】ワコール・安原弘展社長 中高年、増税前に戻るか
【建設】鹿島・中村満義社長 五輪後向け提案力蓄積
【素材】太平洋セメント・福田修二社長 リサイクル技術、海外へ
【食品】味の素・伊藤雅俊社長 和食ブームを追い風に
【サービス】帝国ホテル・定保英弥(さだやす・ひでや)社長 若いファン、増やしたい
【素材】住友ゴム工業・池田育嗣社長 現地生産、アフリカ開拓
【精密機械】アルプス電気・栗山年弘社長 未来の車をより安全に
【金融】松井証券・松井道夫社長 個人資産の動きに注目
【住宅】積水ハウス・阿部俊則社長 富裕層、賃貸住宅に投資
【サービス】セコム・前田修司会長 高齢者の外出支える
【外食】すかいらーく・谷真社長 飲食店、狙いは「駅前」
【化学】旭化成・浅野敏雄社長 売れる理由は素材の力
【スポーツ用品】ミズノ・水野明人社長 靴にスポーツ機能応用
多様な業界のトップの発言ですが、複数の人が口にしたキーワードがあります。「少子高齢化」、アジア、アフリカ、欧州などの「海外」、「外国人」、「健康」……。少子高齢化で縮小傾向にある国内市場ですが、高齢者向けの需要はむしろ拡大しているほか、健康志向の高まりや、日本に来る外国人旅行者の増加に、多くの企業がビジネスチャンスを見いだしています。海外進出もさらに加速し、成長が続くアジアに加え、アフリカや和食ブームの欧米への展開も見逃せません。高機能な商品開発や、きめ細かな工夫で、新たな需要を生み出していることも伝わってきます。志望する業界、企業はもちろん、関連業界の社長発言にも目を通してくださいね。
ワコールと帝国ホテルについては、業界トピックス「使える!社長のことば ワコール社長の発言にみる」「超高級ホテルが『若いファンほしい』? 理由を探る」でも取り上げています。こちらも読んでみてください。
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