2015年06月02日

どうする?就活クールビズ 業界・企業みて対応を

テーマ:就活

ニュースのポイント

 暑い日が続きますね。オフィス街では、ネクタイ姿をあまり見なくなりました。一方で、就活生はまだ多くが従来型の黒の就活スーツ姿のようです。今年の就活はスケジュールが「後ろ倒し」されたため、ピークが真夏まで続きます。「就活クールビズ」が叫ばれていますが、積極的でない企業もあります。さてどうしたらいいでしょう?(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、経済面(9面)の「就活クールビズ 温度差/上着・ネクタイなし/学生・企業 抵抗感も」です。
 記事の内容は――就職活動のピークが春から夏になり、百貨店やアパレル業界は「涼しい就活スタイル」に力を入れるが、クールビズでの就活をためらう学生もいる。1日、東京・六本木で百貨店11社によるクールビズのファッションショーがあり、就活スタイルを担当したそごう・西武が新作を披露した。紳士服大手AOKIは、就活生向けの半袖ワイシャツや夏用のリクルートスーツを増やした。就活生と企業のマッチングを手がけるベンチャー企業、アイプラグ(大阪市)はクールビズでの就活を呼びかけており、5月までに日産自動車やコクヨなど81社から賛同を得た。しかし、ネクタイ・上着姿で各社の説明会を回る就活生は「採用担当者の中にはクールビズを快く思わない人もいると思う。服装で減点されるわけにはいかないので、暑くても我慢したい」と話す。政府は学生の軽装を認めるよう経団連などに求めているが、十分には浸透していない。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 記事の最後に、AOKIと就職情報会社による企業の採用担当者200人の就活クールビズに関するアンケート結果が載っています。
「積極的に取り入れてほしい」23%
「適度なクールビズなら問題なし」49%
「少し抵抗がある」20.5%
「非常に抵抗がある」7.5%
 多くの企業はクールビズでいいけれど、NGの会社も少なくないという結果です。うーん、微妙ですねえ。みなさんが戸惑うのも無理はありません。

 人気企業の採用担当者インタビュー「人事のホンネ」でも、服装について聞いています。
◆(面接時の服装は就活スーツが望ましい?)「そうですね。特に個性的な服装は求めていません。自分の個性を服装で表現するよりも、個性は皆さんの人間力で勝負してほしい。私たちが求めている姿は、常にお客様目線、ということです」(野村證券)

◆「(黒のリクルートスーツに)違和感はありません。あえて奇抜な格好をしてきて、こういうありのままの私を見てほしいという学生もいないわけではない。でも面接官の中には違和感をもつ人もいるので、あえてチャレンジしなくてもいいと思いますね」(JTB)

◆(面接の案内に「服装は自由」と書いていますね)「6対4で私服が多い。広報活動で結構伝えていますから。ノーネクタイでラフな格好の社員が多いので、本当に私服で来てほしい。(就活スーツで来ると不利?)不利ではありませんが、コンサバ(保守的)だなとは思いますね。学生も選考が進んでいくうちに違和感をもつのか、最終面接まで就活スーツという学生はあまりいないですね。ファッションって個性じゃないですか。バンダイは選考の回数も多くないし、できるだけ個性がわかるようにして来てほしい。一般的なスーツだと個性が見えない。うちは企画会社で、アパレル事業部もあるし、ファッションに関しても様々な事業で頑張っているので、ファッションにも興味を持っていてほしいと思います」(バンダイ)

◆「リクルートスーツじゃない服装で来る子には注目しますね。2年ほど前、上下白のスーツで来た男子がいました。丈の短いバミューダパンツで来た男子は、2次面談員が高い評価をして、『次は一応スーツで来た方がいいよ』って言ったとか。本当はリクルートスーツは禁止にしたい。ただ、うちの選考だけじゃなく、他社選考にその足で向かう学生に負荷がかかるため、やりませんが」(電通)

◆「みんな黒か紺のリクルートスーツを着ていて、まるで軍隊のよう。とても違和感を持っています。不潔だったり、だらしなく着たりするのは論外ですが、スーツの色は採用に関係ありません。実際、オールバックの髪形をした学生が今春の最終面接に進んだんですよ。大事なのはTPOをわきまえて人に不快感を与えないことです」(朝日新聞社)

 服装に個性を求めない会社もあれば、いやいやむしろそこで個性を出してよという会社も。業界や企業によって、まったく違うんですね。大事なのは清潔感、相手に不快感を与えないこと。あとは、企業の社風、雰囲気、説明会での話などによって個別に判断するしかありません。服装に対してどんな考えをもっている会社なのかを見極めるのも、企業研究の一つです。

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