2015年06月01日

FIFAスキャンダル、思わぬところに影響も?(ニュース★あらもーど 5月25日~31日)

テーマ:週間ニュースまとめ

 国際サッカー連盟(FIFA)副会長らが「組織的不明」などの罪で起訴された事件。日本にとっては遠い海外の出来事のように思えますが、決してそうではありません。スポーツに関連したビジネスは意外に身近なところで展開されており、サッカーのイメージの問題、今後のW杯を狙って展開する事業など、さまざまなところで関係してきます。今回起訴された人の中にはそれぞれの国でサッカーにとどまらない影響力をもつ人もいますから、全く別のビジネスで突然人脈が途切れたりする可能性もあるでしょう。

 過去にも中東で戦争が起こったとき、石油だけでなくソースの原料となっている木の実の輸入が止まって生産に影響するのではないか、と騒ぎになったことがありました。実際には在庫がたくさんあって影響はなかったのですが、世界はさまざまなチャンネルでつながっていて、思わぬところに影響が出ることがあります。

 国際ニュースの一報は、どんな影響があるかまで触れることはあまり多くありません。学生のみなさんは、国際ニュースに関してどこにどんな影響が及ぶだろうかと想像しながら読むように心がけると理解力が深まると思いますよ。

 今回の写真は5月29日付朝日新聞朝刊に掲載された、カルティエの全面広告を使ったバッグです。
 毎週月曜は1週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をお届けする「ニュース★あらもーど」の日。火曜~金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。(朝日新聞教育総合本部ディレクター・真下 聡)

ニュースダイジェスト

【農水省】バター今年も不足しそう 追加緊急輸入へ(5/25.Mon) 

 バターが2015年度も品薄になるとの見通しを酪農・乳業の業界団体「Jミルク」が発表した。今年度は全国で7100トン不足する見通し。これを受けて農林水産省は27日、バターを10月までに1万トン緊急輸入すると発表した。1回の輸入量としては過去最高となる。
 Jミルクは、今年度の国内バター生産量は昨年度に比べ5.2%増の6万5000トンと予想する一方、需要も0.9%増の7万5000トンと見込み、国内産だけでは必要量をまかなえない見通し。昨年度同様、ケーキの需要が集中するクリスマスシーズンを中心に不足が見込まれるとしていた。

 農水省は今年度2800トンのバターを輸入することをすでに決めていたが、追加の輸入を決めた。

【FIFA】副会長ら14人起訴 米当局「放映権・誘致巡り賄賂」 (5/27.Wed)

 国際サッカー連盟(FIFA)幹部らが、ワールドカップ(W杯)の放映権を含む商業上の権利や開催地の誘致などをめぐって関係者から賄賂や見返りを受け取ったとして、米司法省はFIFAの現役副会長2人を含む計14人を組織的不正などの罪で起訴した、と発表した。スイス当局は同日、米国の要請に応じ副会長2人を含む起訴されたうちの計7人を逮捕した。

 FIFAのブラッター会長は起訴されておらず、5月29日の会長選挙で5選を果たした。
 米司法省によると、起訴状は1991年から不正が続いてきたと主張。北南米地域で国際試合放映権を含んだ権利をめぐる金銭授受のほか、2010年の南アW杯の開催地決定や11年のFIFA会長選をめぐる賄賂のやりとりも対象だという。支払われたり、支払いの合意がされたりした賄賂の総額は1億5000万ドル(約185億円)を超えるという。

【保険料等収入】第一生命、戦後初の生保首位に (5/28.Thu)

 生命保険大手9社の2015年3月期決算が出そろった。戦後初めて、第一生命が売上高にあたる保険料等収入で日本生命を抜いた。各社とも円安や株高を追い風に運用益を伸ばし、8社で本業のもうけにあたる基礎利益が増えた。

 第一生命の保険料等収入は、前年より24.8%増えて過去最高だった。銀行窓口で売る外貨建て商品が貢献した。利回りが高い豪ドル建て商品が特に人気で、銀行窓口販売を専門に扱う子会社の保険料等収入は前年比50%伸びた。
 首位を譲った日生だが、基礎利益では第一に2000億円以上の差をつけている。銀行窓口販売の強化のため、豪ドル建て商品を7月から扱う。海外を含めた企業買収も進める方針だ。明治安田生命と富国生命は基礎利益で過去最高を更新。住友生命は、過去に売った保険で約束した利回りを運用実績が下回る「逆ざや」を解消した。

【火山】口永良部島で爆発的噴火、全137人が島外避難 (5/29.Fri)

 鹿児島県屋久島町口永良部島の新岳で午前爆発的な噴火が起き、島にいた住民ら137人は同日、東に約12キロ離れた屋久島に全員避難した。気象庁は「今後も爆発力が強く、規模の大きい噴火の可能性はある」としている。
 気象庁によると、新岳の火口から火砕流がほぼ全方位に流れ、谷筋を伝って、火口から北西に約2キロ離れた向江浜地区の海岸まで一気に達したと見られる。
 気象庁は新岳の噴火警戒レベルを5段階のうち「レベル3」(入山規制)から「レベル5」(避難)に引き上げた。5への引き上げは、2007年12月にレベルが導入されて以来初めて。警察庁などによると家屋の被害は確認されていない。

【地震】小笠原沖でM8.1 震度5強、関東でも(5/30.Sat)

 30日午後8時24分ごろ、小笠原諸島西方沖を震源とする強い地震があり、東京都小笠原村母島と神奈川県二宮町で震度5強、埼玉県春日部市、鴻巣市、宮代町で震度5弱を観測したほか、関東を中心に全47都道府県で震度4から震度1の揺れを記録した。気象庁によると、震源の深さは682キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は8.1。日本周辺でM8.0以上を観測したのは、2011年3月の東日本大震災(M9.0)以来。
 気象庁は今回、高層の建物を大きく揺らす「長周期地震動」を横浜市や長野県諏訪市などで観測した。
 この地震の影響で、東海道新幹線やJR山手線など多くの鉄道が一時運転を見合わせ、首都圏を中心に交通が混乱した。

http://www.asahi.com/articles/DA3S11783333.html


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