2015年06月03日

サミットだけじゃない!誘致合戦の結果をチェック

テーマ:経済

ニュースのポイント

 五輪・パラリンピックやW杯といったスポーツの国際大会はもちろん、政治、経済、医療など、さまざまな分野で開催される大型の国際会議の開催地には大きな経済効果が期待されています。五輪のように海外との誘致合戦に勝ち、大きな話題になるものもあれば、日本での開催は決まっていて、開催都市を国内各地で争うものもあります。いま注目されているのは2016年に日本で開かれる主要国首脳会議(サミット)の開催地です。
 結果はまもなく出ます。サミットに限らず、他の分野でも、世界的に注目される国際大会、国際会議が今後、日本国内のどこで開催されるのか、チェックしておきましょう。(副編集長・奥村 晶)

 今日取り上げるのは、総合面(4面)の「サミット開催地 決定大詰め/仙台 復興の象徴/三重・志摩 日本文化PR/来年日本で 8日までに発表」です。
 記事の内容は――2016年、日本で開かれる主要国首脳会議(サミット)の開催地選びが、大詰めを迎えている。政府は今年のドイツサミット(7、8両日)までに発表する方針だが、いつどのような形で公表するかは明らかにしていない。サミットの候補地には、仙台市、新潟市、長野県軽井沢町、浜松市、名古屋市、三重県志摩市、神戸市、広島市の8都市が名乗りを上げ、関係する自治体にとって関心の的になっている。サミットは前年の会議までには次の開催地が決定しているのが通例だ。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

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 サミットの国内開催地は候補になった自治体を外務省や警察庁などが視察し、会議施設や宿泊施設、警備のしやすさや交通事情の良さなど、さまざまな観点から比較し、選定しています。どの自治体を選ぶかで、その政権が国内外に強く発信したいメッセージも推し量れます。
 今回の候補地の場合ものように、仙台「復興」、志摩「伊勢神宮に近接」、広島「平和」、新潟「米と日本酒」など、それぞれにアピール点があります。
 2008年の北海道・洞爺湖サミットの場合は、緑豊かな北海道という土地で開催することで、「環境を重視する日本」をアピールする狙いがありました。注目される経済効果ですが、洞爺湖サミットの場合、道内の経済効果は約350億円に上りました。候補地が誘致合戦に注力するのも当然ですね。

 さらに、瞬間風速的な経済効果だけでなく、大型の国際会議や国際大会を無事に開催することで、その自治体には知名度アップによる継続的な観光客の増加が期待できます。運営面での成功実績や充実した施設をアピールすることで新たな会議や大会の誘致でも有利になります。

 スポーツでは、2015年秋に仙台市で開催される卓球の女子W杯や、少し先のものでは2019年のラグビーW杯日本大会、東京五輪・パラリンピックの翌年の2021年、関西を舞台に開催される生涯スポーツの祭典「ワールドマスターズゲームズ(WMG)」などが話題です。五輪やW杯では、キャンプの誘致でも各自治体がしのぎを削っています。

 今後、日本で開催予定の大きな国際会議にはどんなものがあるのか、APEC(アジア太平洋経済協力会議)やCOP(国連気候変動枠組み条約締約国会議)の開催地が日本にまわってくるのはいつなのか、うっすらとでも意識していればニュースが頭に入りやすくなります。国内で開催が決定している大型の国際会議は、観光庁や日本政府観光局のWEBサイトで調べられます。年ごとの国内での開催件数や参加者総数、都市別の開催件数などもわかります。
 大型イベントは、建設、輸送、観光、飲食、警備など、さまざまな業種にビジネスチャンスをもたらします。企業研究の合間に、志望企業に関連しそうな大型イベントについてもチェックしておきましょう。

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