2015年02月13日

就活ナビをうまく使おう!「とりあえず応募」はムダ

テーマ:就活

ニュースのポイント

 3月1日の就活解禁日から「あさがくナビ」をはじめとする就活ナビサイト(就職情報サイト)に企業の採用情報が一斉に載り、2016新卒採用が正式にスタートします。みなさん、あさがくナビのほか、リクナビ、マイナビなどから企業の基本情報を知り、働きたい会社を見つけて応募すると思います。ただし、ナビは就活の入り口です。その先の会社説明会やOB・OG訪問などで社員に直接話を聞くリアルな就活をしなければ、よい結果は得られません。(写真は「あさがくナビ2016」のポスター、イメージキャラクターは高畑充希さん)

 今日取り上げるのは、教育面(31面)の「企業の採用 進む『脱ネット』/『とりあえず』応募 多数・落とす作業膨大」です。
 記事の内容は――今の就活は、学生がインターネットから会社説明会や採用試験に応募できる「就活ナビサイト」が中心だ。手軽なだけに「とりあえず」と大量に応募する学生も多いが、処理作業が膨大で求める人材に出会えないと悩む企業もあり、直接学生に接触する「脱ナビ」の動きが出ている。東京都新宿区の「知るカフェ早稲田大学前店」には、国際協力機構(JICA)、リンナイ、ナリス化粧品など約30社が参加。その一つライフネット生命保険はナビサイトの利用をやめる。毎日のように就活関連の講座があり、学生と企業の採用担当者が出会える場となっている。京都市の会社エンリッションが運営する「知るカフェ」は、同市の同志社大、京都大近くにもあり現在計3店舗。学生会員は約9300人いる。今春以降、名古屋大、神戸大、近畿大など計7大学周辺でもオープンする予定。
東京のIT企業「HDE」はナビサイト依存度を減らし、選考も兼ねるインターンシップを導入した。名古屋市の水処理施設維持管理会社「エスエム」は2年間、ナビサイト利用をやめたが、応募者が予想以上に減ったため復活させる。ただ、会社紹介を読み終えた人だけが応募できる仕組みなどを検討。応募のハードルを上げる。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 大学などの講演で、私は学生のみなさんに、「プレエントリー50社以上を目指さないと持ち駒がなくなりかねない」と話しています。ただし「好き、憧れ、有名」だけで企業を選んでエントリーしても意味はありません。はっきり言って時間の無駄。人気企業は競争率が高いうえ、ずっと前から本気で目指して企業研究を深めOB・OG訪問を重ねている学生がたくさんいるのです。

 そんな時間があったら、本当に興味を持てる会社を探すことにエネルギーを使いましょう。そのきっかけに、手軽な「あさがくナビ」を大いに活用してください。さらに、多くの企業の説明を効率よく聞ける大規模合同企業説明会「あさがくナビ スーパービジネスフォーラム」や「就職博」にも参加してみてください。ナビの情報をもとに、自分で動き、社員に会い、目と耳で確かめてください。個別の会社説明会に申し込むために、「とりあえず」プレエントリーすることはあるでしょう。その際には有名企業ばかりに偏らないことが肝要です。

 企業との出会いの場の一つとして、「知るカフェ」はユニークな試みですし、学生にも企業にもメリットがありそうです。ただ、対象の大学がほぼ決まっているので誰でも参加できるわけではありません。こうしたチャンスがない学生はどうすればいいのでしょう。

 先日、ある中堅大学の学内業界研究会を見てきました。多くの企業がブースを出して会社や仕事の説明をするいわゆる学内セミナーです。大企業も来ていましたが、多くはあまり有名ではない会社でした。でも、学内セミナーに参加するのは、この大学の学生を採用したい会社です。大学のOBやOGの社員が説明に来ている企業もありました。2月中は業界研究、3月以降は採用に関する合同企業説明会として、学内セミナーを開く大学が多いと思います。積極的に参加してください。

 「あさがくナビ」は、多くの企業に同時に応募できる「一括エントリー」の機能をなくしました。一括エントリーは学生にとって楽で便利な機能ですが、企業は大勢の志望度の低い学生の対応に追われ、学生もなかなか結果に結びつかない弊害が目立ったためです。ぜひ、一つひとつの企業をじっくり吟味してくださいね。

※朝日新聞デジタルの無料会員は1日3本の記事全文を、有料会員になればすべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。ぜひ登録してください。

アーカイブ

テーマ別

月別