あきのエンジェルルーム 略歴

2014年10月09日

ダーリンを自分の職場に連れて行こう!?  ♡Vol.6

 いつも心にエンジェルを。

 前回、「妻が働いていて当たり前」と思えるダーリンを見つけてね!とハッパをかけましたが、共働き志向という男性のなかにも、「働いて稼いでくれるのはいい。だけど、そのことで自分の生活にしわ寄せが来たり、仕事をセーブしたりするのはイヤ!」という人はまだまだいます。
 そんな、やや自己チューな男性と結婚してしまった場合は、もう取り返しがつかないのでしょうか?
 「ワーママ(働く母親)」の働きやすさは、「夫」次第。と、いうわけで、今回は、夫側の意識改革に会社ぐるみで取り組んでいる「エンジェル企業」、花王株式会社を紹介します。

 花王といえば化粧品に洗剤、紙おむつ、最近では「へルシア」といった健康飲料など、みなさんの日常生活にも何かしら接点のある企業かと思います。

 もともと、販売部員など含めるとグループ社員に占める女性の割合も多く、研究職などでは、男女雇用機会均等法施行よりずっと前、1970年代には四大(四年制大学)卒の女子を定期採用していたそうです。育児しながら女性が働き続けるのは当たり前、という風土もあり、2001年には人材開発部のなかに、EPS(イコールパートナーシップ)推進という部署をつくり、性別にとらわれない働き方を支援してきました。いまでいうダイバーシティー(多様性)の先駆けですね。
(写真の出典元:TOKYOビル景
 2004年には仕事と家庭生活を両立する制度が活用されていることを評価され、厚生労働省が選ぶファミリー・フレンドリー企業表彰のグランプリにあたる「厚生労働大臣優良賞」を受賞しています。やれ、アベノミクスだ、ウーマノミクスだと、付け焼刃で女性活用に取り組んでいる企業とは格も年季も違うのです。

 育児休暇制度はもちろん、メリーズガーデン(社内託児所)やメリーズタイム(子育て社員向け時短制度)など、福利厚生も整っています。なかでも、ワーママたちに好評なのが、育児休業から復帰前に実施される「復職前セミナー」です。そのセミナーには、なんと夫も連れてくることができるんです。もちろん、夫が違う会社に勤めていても構いません。
 セミナーの名前は「タツノオシゴトセミナー」(左写真)。タツノオトシゴはオスが子育てすることから、子孫繁栄を象徴する生き物といわれます。それと「仕事で立つ」というのをかけて、「タツノオシゴト」と命名されたのだそうです。

 ちなみに、大日本印刷や明治安田生命、大成建設などでも、女性社員の育休復帰や両立支援のプログラムのなかにパパ同伴のセミナーがあって、こちらも好評だそうですよ。 
 セミナーでは、復職した後に使える社内制度の説明や、育児そのもののコツ、先輩ママの効率の良い働き方指南など、いろんな情報提供があります。
 夫同伴の目的は、育児と仕事の両立の大変さを夫婦で「共有」してもらうことなのですが、ワーママたちが特に喜んでいるのは、「自分の妻が、会社からこんなに戦力として期待されているんだ」ということを、夫に知ってもらえることなのだそうです。あー、うちの夫も連れて行きたいーー。

 収入の差なのか男のメンツなのかわかりませんが、夫というものは根拠レスに、自分の仕事のほうが妻の仕事より立派で、優先すべきものと思い込んでいること、ありますからね(奥村調べ)。

 セミナーをきっかけに、「僕がもっと妻を支えなくては」「父親として自分は何ができるのか」と意識が高まり、具体的な家事分担など、夫との話し合いがスムーズにできるといいます。2009年にスタートし、2010年に本格導入されました。

 そんな取り組みが評価されて、花王は、2013年10月、厚生労働省「イクメン企業アワード」の初代グランプリにも輝きました。
 同社人材開発部EPS推進担当の関根牧子さん(右写真)は、小学2年生を筆頭に1男2女のお母さんです。自身が、男女の性差なく働ける職場環境を整える担当者だからこそ、あえて言います。

 「確かに、花王の男性の育休取得率は約4割と、企業全体の平均(たった2%!)に比べればかなり進んでいるほうですが、それでも取得日数は平均11日間程度。短いです。私自身、うちの会社だから、3人も産めた。それは感謝していますが、制度があればいい、というものではなく、いかにそれを“絵に描いた餅”にしないで、実践できるのか。まだまだ努力も時間も必要だと感じています」

 とはいえ、花王に入社しない限り、関係ないじゃん!と、アナタいま思いましたね?

 違います! どんな会社に入社したって、アナタにできる努力があります。
 花王の例でわかるように、結婚したら、夫にまず「職場で働いているアナタ」を見てもらいましょう。いやいや、会社に夫なんて連れて来られないでしょ?という人は、せめて、会社の同僚を夫に会わせてみましょう。

 もちろん、同僚には、夫が「うちの奥さんって、仕事がんばってるんだなあ」「こんなにみんなから信頼されてるんだ」等々、プラスのイメージを持てるように、事前にしっかり「言い含めて」おいてくださいね!

 逆に、妻の「いい評判」を聞いて、無駄に敵意やライバル意識をもつ夫なら、現役時代も針のムシロ、ましてや夫婦での楽しい老後なんて期待できません。ソッコー、次のラブ・ゲーム(古い!)に突入してください。
 大丈夫、まずは「♪愛の力」を信じてみましょ。