みなさんはおそらくご存じないと思いますが、10月は「年次有給休暇取得促進期間」です。2014年に始まった取り組みで、まだ2年目。厚生労働省や都道府県労働局、労働基準監督署などが旗振り役として、企業に「ちゃんと従業員に有給休暇を取らせなさいよ~!」とこの時期に呼びかけているのです。啓発ポスターの「働き方を変えよう。休み方を変えよう。生きがいを楽しもう。」というキャッチコピーが輝いていますね!(画像:厚生労働省HPより)
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2015年10月22日
休めるか、休めないか、それが問題だ!(ハムレット風) ♡Vol.55
いつも心にエンジェルを。
みなさんはおそらくご存じないと思いますが、10月は「年次有給休暇取得促進期間」です。2014年に始まった取り組みで、まだ2年目。厚生労働省や都道府県労働局、労働基準監督署などが旗振り役として、企業に「ちゃんと従業員に有給休暇を取らせなさいよ~!」とこの時期に呼びかけているのです。啓発ポスターの「働き方を変えよう。休み方を変えよう。生きがいを楽しもう。」というキャッチコピーが輝いていますね!(画像:厚生労働省HPより)
みなさんはおそらくご存じないと思いますが、10月は「年次有給休暇取得促進期間」です。2014年に始まった取り組みで、まだ2年目。厚生労働省や都道府県労働局、労働基準監督署などが旗振り役として、企業に「ちゃんと従業員に有給休暇を取らせなさいよ~!」とこの時期に呼びかけているのです。啓発ポスターの「働き方を変えよう。休み方を変えよう。生きがいを楽しもう。」というキャッチコピーが輝いていますね!(画像:厚生労働省HPより)
「有休」「年休」など、いろんな略し方がありますが、「有給休暇」とは、ひとことでいうと「仕事を休んでも賃金を支払ってもらうことができる休暇」です。「採用後6カ月以上継続して働き、全労働日(所定の休日を除く)の8割以上出勤している」という条件を満たせば、正社員はもちろん、アルバイトでも、パート社員でも、もちろん派遣社員でも一定日数がもらえます。
週に何日勤務しているかで、もらえる有給休暇の日数は違ってきますが、特別な事情がない限り、原則として、働く人の休みたい理由は一切問われず、希望する日に取得することができます。
はい。ここまでが表向きの話です。
そんな折も折、2015年10月16日付の朝日新聞朝刊にこんな見出しの記事が載りました。
週に何日勤務しているかで、もらえる有給休暇の日数は違ってきますが、特別な事情がない限り、原則として、働く人の休みたい理由は一切問われず、希望する日に取得することができます。
はい。ここまでが表向きの話です。
そんな折も折、2015年10月16日付の朝日新聞朝刊にこんな見出しの記事が載りました。
「休めない 年休取得 15年連続50%割れ」
ガーン……。
内容は民間企業で働く従業員が2014年に与えられた年次有給休暇のうち、実際にその休みを取れた割合は47.3%で、2013年より1.5ポイント下がった、というもの。対象は従業員30人以上の6302法人で、厚生労働省が毎年実施している「就労条件総合調査」の結果です。有給休暇の取得率は日数から計算するもので、たとえば年に10日間の有給休暇を与えられている従業員がそのうち半分の5日間休んだとしたら取得率は50%になります。47.3%ということは、もらっていいお休みを半分も使えていないということです。
私自身も有給休暇を完全消化したのは、出産のときだけなので、「いずこも同じ秋の夕暮れ」と思いましたが、これだけ世の中に、“ワークライフバランス”という言葉が定着してきたにもかかわらず、現実は「これかい!?」と思った人も多いのではないでしょうか。
ガーン……。
内容は民間企業で働く従業員が2014年に与えられた年次有給休暇のうち、実際にその休みを取れた割合は47.3%で、2013年より1.5ポイント下がった、というもの。対象は従業員30人以上の6302法人で、厚生労働省が毎年実施している「就労条件総合調査」の結果です。有給休暇の取得率は日数から計算するもので、たとえば年に10日間の有給休暇を与えられている従業員がそのうち半分の5日間休んだとしたら取得率は50%になります。47.3%ということは、もらっていいお休みを半分も使えていないということです。
私自身も有給休暇を完全消化したのは、出産のときだけなので、「いずこも同じ秋の夕暮れ」と思いましたが、これだけ世の中に、“ワークライフバランス”という言葉が定着してきたにもかかわらず、現実は「これかい!?」と思った人も多いのではないでしょうか。
政府の目標は2020年までに取得率を70%に上げることです。現状から考えるとかなり高いハードルといわざるを得ません。
一方、この記事の前日、10月14日の朝刊の一面に「入りたいのは休める会社」という見出しで、就活生の志向の変化についての記事が掲載されていました。どの会社もごく当たり前に休暇が取れるとしたら、就活生はもっと別の視点で会社選択をするでしょうが、厚労省の調査結果のように、現実には休めない会社が多いために、限られた福利厚生の充実した会社に人気が集中するのでしょう。
この連載でも、有給休暇を取りやすくしたり、長時間労働を減らしたりするために、積極的に取り組んでいる企業をたびたび紹介していますが、くれぐれも志望理由に「休みやすそうだから」などと言わないように気をつけてくださいね。福利厚生を注目されて喜ぶ企業はほとんどありませんよ。
一方、この記事の前日、10月14日の朝刊の一面に「入りたいのは休める会社」という見出しで、就活生の志向の変化についての記事が掲載されていました。どの会社もごく当たり前に休暇が取れるとしたら、就活生はもっと別の視点で会社選択をするでしょうが、厚労省の調査結果のように、現実には休めない会社が多いために、限られた福利厚生の充実した会社に人気が集中するのでしょう。
この連載でも、有給休暇を取りやすくしたり、長時間労働を減らしたりするために、積極的に取り組んでいる企業をたびたび紹介していますが、くれぐれも志望理由に「休みやすそうだから」などと言わないように気をつけてくださいね。福利厚生を注目されて喜ぶ企業はほとんどありませんよ。
しかし制度は整っていて、会社の上層部が休暇取得を後押ししていても、「周囲に迷惑がかかる」「後で多忙になる」「職場の雰囲気が取得しづらい」などを理由に、多くの社員は有給休暇の取得に「ためらい」を感じているのが現実です。
労働政策研究・研修機構が2011年に行った「年次有給休暇の取得に関する調査」によると、休暇を取り残す理由(複数回答)は、「病気や急な用事のために残しておく必要があるから」が64.6%で最も多く、次いで、「休むと職場の他の人に迷惑をかけるから」が60.2%、「仕事が多すぎて休んでいる余裕がないから」が52.7%と続いています。
「上司がいい顔をしないから」(33.3%)、「勤務評価等への影響が心配だから」(23.9%)などといった理由もいまだにあります。ちなみに労働基準法では、有給休暇を取得したことを理由に、「人事考課上の評価を不利にする」などの不利益な取り扱いをすることは許されていません。本来は安心して休んでいいはずなのです。
一方、3年前に比べて年次有給休暇が取りやすくなった、と回答した人に その理由をたずねたところ、「年休が取りやすい職場の雰囲気になった」(42.8%)、「自分で積極的に取得するよう心がけた」(41.5%)、「上司などからの年休取得への積極的な働きかけ」(30.6%)が続いています。
労働政策研究・研修機構が2011年に行った「年次有給休暇の取得に関する調査」によると、休暇を取り残す理由(複数回答)は、「病気や急な用事のために残しておく必要があるから」が64.6%で最も多く、次いで、「休むと職場の他の人に迷惑をかけるから」が60.2%、「仕事が多すぎて休んでいる余裕がないから」が52.7%と続いています。
「上司がいい顔をしないから」(33.3%)、「勤務評価等への影響が心配だから」(23.9%)などといった理由もいまだにあります。ちなみに労働基準法では、有給休暇を取得したことを理由に、「人事考課上の評価を不利にする」などの不利益な取り扱いをすることは許されていません。本来は安心して休んでいいはずなのです。
一方、3年前に比べて年次有給休暇が取りやすくなった、と回答した人に その理由をたずねたところ、「年休が取りやすい職場の雰囲気になった」(42.8%)、「自分で積極的に取得するよう心がけた」(41.5%)、「上司などからの年休取得への積極的な働きかけ」(30.6%)が続いています。
みなさんも、休暇制度に限らず、社会人になる前に、労働者としての自分にどんな権利があるのか、しっかり確認しておきましょう。「守ってくれる」法律や制度を知ることも大切です。中でも目を通してほしいのが労働基準法です。法律の条文そのものは難しくて読めなくても、厚生労働省HPのQ&Aなどを拾い読みしておけば、働く上で必要な最小限の情報は得られます。
政府は今年の通常国会に提出した労働基準法改正案で、年次有給休暇を10日以上与えられた従業員については、最低でも5日分を取らせるように企業に義務づける内容を盛り込みました。一見、働く人にとって“追い風”のようですが、この改正案には、残業代や深夜手当が一定の条件を満たせば支払われなくなる新たな制度も盛り込まれていて、「残業代ゼロ法案」などと批判されています。
今後の国会の動きも合わせて注目してください。
政府は今年の通常国会に提出した労働基準法改正案で、年次有給休暇を10日以上与えられた従業員については、最低でも5日分を取らせるように企業に義務づける内容を盛り込みました。一見、働く人にとって“追い風”のようですが、この改正案には、残業代や深夜手当が一定の条件を満たせば支払われなくなる新たな制度も盛り込まれていて、「残業代ゼロ法案」などと批判されています。
今後の国会の動きも合わせて注目してください。
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