「企業経営に大事なのは、『採用』と、『ダメな人に辞めてもらうこと』」
なんとまあ、率直な言葉でしょうか。言葉の主はプライベートでも何度かご一緒している、前LINE社長の森川亮(あきら)さん。LINEを辞めたいまは女性向けにファッションやトレンド情報の動画サイト「C Channel」を立ち上げ、運営しています。冒頭に紹介したのは朝日新聞の社内講演会で出た話です。
略歴
2015年10月08日
以前から、「この会社でずっと働き続けたい、と思っている人より、さっさと辞めたいと思っていて、実際に辞めちゃうような社員を採用したい」と、雑談のなかでも言っていました。
森川さんは筑波大学を卒業後、1989年に日本テレビ放送網に入社、理系社員ということで、財務システムや視聴率の分析システムなどを作ってきました。音楽が好きで、エンタメ志望だった森川さんは、「つまらない」「早く辞めたい」と思っていたそう。上司には「石の上にも3年」「3年経ったら、好きな部署に行かせてあげるから」と言われていたそうですが、上司のほうが先に異動し、約束を反故(ほご)にされたといいます。サラリーマンにはよくあることですね。
結局そのソニーも辞めてしまうのですが、森川さんは、早い段階で、「会社で出世できなくても、自分が面白いと思うこと、世の中に役に立つことをやっていたら、いずれ外の人が引っ張ってくれる」と確信をもっていたそう。青色発光ダイオードの実用化で、2014年にノーベル物理学賞を受賞した中村修二さん(右写真)を思い出すエピソードです。

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