みなさん、「M字カーブ」って知っていますか?
仕事柄、ちょこちょこ内閣府男女共同参画局のホームページをチェックします。「平成26年度男女共同参画社会の形成の状況」という項目の中に、総務省の「労働力調査(基本集計)」による「女性の年齢階級別労働力の推移」というグラフが掲載されていました(いずれも出典:内閣府ホームページ)。
「M字カーブ」というのは上のデータを表した折れ線グラフのこと。女性の場合、独身時代などに仕事をしていても、結婚や出産を機にいったん退職し、その後、再就職するケースが多いため、結婚・出産年齢あたりに大きな窪みができるというわけです。


 
         
             最新の平成25年度、つまり2013年度のグラフを見てください。「M」の形のカーブの底がずいぶんゆるやかになってきた気がしませんか?
                         最新の平成25年度、つまり2013年度のグラフを見てください。「M」の形のカーブの底がずいぶんゆるやかになってきた気がしませんか? 共働き世帯と男性の片働き世帯の数は1980年は圧倒的に片働き世帯が多かったのが、1990年代半ばに逆転、平成26年は共働き世帯が1077と、片働き世帯の720を大きく上回っています。
                         共働き世帯と男性の片働き世帯の数は1980年は圧倒的に片働き世帯が多かったのが、1990年代半ばに逆転、平成26年は共働き世帯が1077と、片働き世帯の720を大きく上回っています。 結婚や出産というライフイベントで簡単に退職という選択をしないことが大事というのは、みなさんもよくわかっていると思いますが、いまはもっと問題が深刻です。育児休業法は2005年に改正され、派遣社員やパートら非正規社員にも対象が拡大されましたが、実際、非正社員で育休を取得し、元の仕事に復職できた人はたった4%、正社員の10分の1以下であることがわかりました。
                         結婚や出産というライフイベントで簡単に退職という選択をしないことが大事というのは、みなさんもよくわかっていると思いますが、いまはもっと問題が深刻です。育児休業法は2005年に改正され、派遣社員やパートら非正規社員にも対象が拡大されましたが、実際、非正社員で育休を取得し、元の仕事に復職できた人はたった4%、正社員の10分の1以下であることがわかりました。 しかし、現実には女性就業者の半数以上を超える非正規社員がこのセーフティーネットを使えない状況になっているわけです。非正規社員なら、育休も思うように取れない。正社員で育休が取れたとしても、保育園に空きがなく子どもを預けるところがない。保育園に入れたとしても、「妻が家庭を守るべき」と思う男性が半数いて、家事や育児は主に女性が担わないといけない……。そんな、“ないない尽くし”で、少子化が解決するはずありませんよね。
                         しかし、現実には女性就業者の半数以上を超える非正規社員がこのセーフティーネットを使えない状況になっているわけです。非正規社員なら、育休も思うように取れない。正社員で育休が取れたとしても、保育園に空きがなく子どもを預けるところがない。保育園に入れたとしても、「妻が家庭を守るべき」と思う男性が半数いて、家事や育児は主に女性が担わないといけない……。そんな、“ないない尽くし”で、少子化が解決するはずありませんよね。




 
				
								 
				
								 
				
								 
				
								 
				
								 
				
								 
				
								
