ニュースのポイント
お父さんやお母さんと就活や仕事の話はしていますか? 親とほとんど会話をしない人もいると思います。でも、親はいつでも子どもの幸せを願う「絶対的な応援団」であり、あなたの良さを知っている身近な理解者です。ときには親の仕事について話を聞いたり、愚痴を聞いてもらったりしてみましょう。
今日取り上げるのは、生活面(29面)の読者投稿欄「ひととき/『さとり』変わるかな」です。
記事は横浜市の50代の主婦の投稿です。概要は――大学3年の次男は企業のインターンシップへのエントリーや説明会で忙しそう。「さとり世代」でガツガツしたところがない彼は日々のニュースに無関心ではないが、積極的に意見を持っているようには見えない。そこで、「語彙(ごい)・読解力検定」を2人で受けないかと提案。準1級のテキストでそれぞれ勉強した。試験後しばらくは「あの問題の答えはこうだよね」と親子の会話が盛り上がり、2人とも合格。本格的な就職活動までもう少し。これを機にニュースを一方的に受け取るだけでなく、広い視野で考え、自分の言葉で語れる社会人になってほしい。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
「ひととき」は60年以上続く女性読者の投稿欄です。夫や子ども、親など家族のこと、身の回りの暮らし、職場での出来事など、身近なちょっとした体験をつづる投稿が毎日載ります。日曜日だけは男性読者からの「男のひといき」です。現役の大学生や就活生の投稿が掲載されることもありますが、年配の投稿者が多いだけに、大学生の息子、娘への思いや就活の話題が載ることも。心温まる話が多いので、殺伐としたニュースを読む合間に、ひとときにも目を通して一息入れてみてください。
6月6日に親と離れて東京で一人暮らしをしている大学生の娘に「『いつもあなたの味方である』と伝えたい」という投書が載り、同26日には「記事を読めば、娘さんにとってお母さんは一番の応援団であることは伝わってきます」と同じ境遇の母親が投稿しました。過去のひととき欄を読み返すと、小さなころの子育ての苦労や喜びを振り返り、「厳しい就職活動のまっただ中にいる君を、陰ながら応援しているよ。そして、いつか花咲く日を待っている」とのエール、「お祈りメール」ばかり受け取る息子への気遣い、就活中の思わぬ成長を喜ぶ声など、親の愛が文面からあふれてきます。
そんな親に頼らない手はありません。先輩内定者たちに親との関わりを聞きました。いくつか紹介します。
・「どんな話にも耳を傾けてくれ、相談に乗ってくれた。就活で迷ったとき身近で自分のことを分かってくれている親に相談することで悩みがスッキリした」
・「父親の業界を受けるとき、疑問や今のトレンドを聞きESの志望動機や面接に使った。父は会社で面接官をしたことがあり、採用者目線でESの良し悪しを判断してくれ、書類で落とされることはほとんどなかった」
・「ESの書き間違いや言葉遣いなどを最終的にチェックしてもらった。しっかり伝わる文章に手直ししてもらうことで、自信を持って面接に挑むことができた」
・「幼稚園や小学校の時のアルバムや資料を探し出してもらい自己分析に使った。その上で『自分が何をしたのか?』『その時どう思ったか?』を教えてもらった。小さな頃も今につながる様々なルーツがあると気付いた」
ただし、親の世代の就活と今の就活は全く別物といっていいほど違います。今の就活を知らずにあれこれ口を出してくる親御さんがいたら、就活ニュースペーパーWEB版の右側にあるバナーで「親カツ!!親子で乗り切る『今』の就活」を読むように勧めてみてください。余計な口出しをせず、必要な時にはサポートしてくれるよう、親向けに書いたコーナーです。
ひととき欄の親子が受けた「語彙・読解力検定」は、辞書語彙、新聞語彙、読解力の3分野で言葉の力を測る検定です。ESの添削や模擬面接をしていて、学生によって語彙力や表現力の差を感じることが多くあります。これに向けて勉強すれば、ESや面接で自分を表現する力がアップしますよ。2級以上に合格すると、朝日新聞社、ベネッセコーポレーションなど53社で採用試験の際の優遇などがあるので有利です。次回11月16日(団体受検は同14、15日)の受け付けは8月19日開始予定。就活スタートの前の受検をお勧めします。
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