2014年07月29日

「森ビルに企業広報大賞」に学ぶ 就活は自分のPR

テーマ:就活

ニュースのポイント

 経済広報センター(会長=榊原定征経団連会長)が今年の「企業広報賞」の大賞に森ビルを選びました。就活は自分をいかに企業に広報するかが勝負です。「広報パーソンの心構え」は、就活での自己PRの参考になります。

 今日取り上げるのは、経済面(7面)の「森ビルに企業広報大賞」です。
 記事の内容は――「企業広報賞」は、優れた広報活動に取り組む企業や経営者に贈る賞。森ビルを選んだ理由について「都市再生など社会的意義を意識した広報活動を進め、虎ノ門ヒルズ開業では街・地域のイメージ変革に寄与した」としている。経営者賞にはダイキン工業の井上礼之会長、カルビーの松本晃会長、功労・奨励賞は西武ホールディングス、日産自動車の広報部長が選ばれた。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 経済広報センターは、経済の仕組みや企業の果たしている役割を社会に伝えるため財界がつくった団体で、経団連会長が会長を務めています。毎年優れた企業広報をしている企業や経営者、広報の実務者を表彰しています。朝日新聞の経済部長らマスコミ関係者らが選考委員を務めています。大賞を受賞した森ビルの活動については、6月5日の今日の朝刊「『虎ノ門ヒルズ』完成 街づくり担うディベロッパーとは」も読んでみてください。

 同センターのホームページ(HP)によると、「広報=パブリック・リレーションズ(PR)」は直訳すると「公衆とのよい関係づくり」。かつてはマスコミを通じ消費者に対して商品やサービスを販売促進する活動のことでしたが、今では顧客、取引先、社員、株主、投資家、地域住民、NPO、官庁、就職希望者など多くのステークホルダー(利害関係者)や社会全体を対象に、商品情報だけでなく企業理念や社会貢献活動など幅広い内容を発信する「コーポレートコミュニケーション(CC)」を企業広報と呼ぶようになりました。企業経営全般にかかわりますし、企業の姿勢を知ることもできます。下記のHPで過去の受賞企業を調べて企業研究に役立ててください。
 
 さらに、HPにある「広報パーソンの心構えと求められる能力」は就活の参考になります。抜粋すると――まず備えたい能力「コミュニケーション」として求められるのは、「聞く」「話す」「読む」「書く」の四つの力である。「聞く」は、相手の話を理解することに加え、話を引き出す力が必要だ。「話す」は、伝えたいメッセージを、根拠と説得力をもって分かり易く明確に言葉として発する力。「読む」力は内容を正確・的確に理解し、多岐にわたる情報を分析し、総合的に判断してストーリーや傾向を導き出すこと。「書く」は文章だけでなく、表や写真、映像も含めたヴィジュアル的に見せる手法も含めた力である。

 企業広報はマスコミや社会全体に向けたものですが、みなさんの就活は志望企業に向けて自分を広報する活動です。まずは会社説明会やOB・OG訪問で、相手の話を理解して、本音を引き出す「聞く力」が必要です。新聞記事、業界図鑑など情報を集める「読む力」で企業研究を深めます。エントリーシート(ES)は「書く力」、面接は説得力をもった「話す力」の勝負です。そもそもESにある項目はすべて自分を広報するための自己PR欄だと思ってください。ただ、その前段での聞く力や読む力が、説得力のあるPR、志望動機を書いたり話したりすることにつながるのです。就活で求められるコミュニケーション能力は、まさに社会に出てからも必要な力だということなんですね。

 朝日新聞社は、こうしたコミュニケーション能力を鍛える「朝日学生キャリア塾」の9月講座の受講生を募集しています。四つの力を鍛えたい人、「就活といっても何から始めたらいいかわからない」という人をお待ちしています。詳細は下記URLからキャリア塾HPでご覧ください。

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