2014年10月16日

新聞を就活に生かす方法

テーマ:就活

ニュースのポイント

 15日からの「新聞週間」にあわせて、シンガー・ソングライターのmiwaさん(写真)、教育評論家の尾木直樹さん、明治大教授の斎藤孝さんが、新聞の魅力や活用法を語ってくれました。「就活生は新聞を読もう」と言われることがあると思います。きょうは新聞の効用をまとめます。

 今日取り上げるのは、特集面(16面)の「秋の新聞週間/毎日届く 新しい発見/miwaさん CD制作と紙面づくりって似てる」です。
 miwaさんのインタビュー概要は――シンガー・ソングライターの仕事と新聞をつくる仕事には共通点がある。私は曲の発表手段として、多くのスタッフの汗と情熱が込められているCD制作を大切にしている。新聞も似ていて、記者が取材して書いて、デスクや編集者が加工して見出しをつけ、印刷して家庭に届ける。多くの人の努力と苦心が紙面に結晶している。ネットからの情報はピンポイントだが、新聞を広げれば探していた記事以外の情報も目に飛び込み発見がある。曲をダウンロードするだけなら他の曲は目に入らないが、CDショップに行けば私の曲はもちろん、ほかのアーティストの曲にも接してもらえる。心が温まる記事を読んだ時のほっこりとした充足感、切ない記事を読んだ時の胸の痛み、好きなスポーツ選手が活躍した時の高揚感。一つ一つを私の引き出しの中に大切に取っておきたい。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 昨日、名古屋の大学で約250人の学生に講義をしてきました。短時間で記事の概要を把握する「就活に役立つ新聞の読み方」を説明。実際に新聞をパラパラめくって「気になる記事」を探し、内容と意見を隣の人に発表する「1分プレゼン」をしてもらいました。残念ながらふだんから新聞を読んでいる学生は多くないのですが、みな熱心に取り組み、数分間で記事を選び立派にプレゼンしていました。1面の特定秘密保護法、経済面の企業記事、スポーツ面のプロ野球の記事など、選んだ記事は実にさまざま。プレゼンを「1分間」としているのは、面接などに向け短時間で説明やアピールをする力をつけてもらうためです。新聞を毎日めくって「気になる記事」を探せば、世の中の動きや業界・企業のことがわかり、考える力も増し、就活が始まるころには大きく成長しているはずです。一人でも多くの学生に、新聞を読む習慣を身につけてほしいと願っています。

 今日の記事でも、尾木さんと斎藤さんが授業での新聞活用法を紹介しています。尾木さんはかつて中学や高校で、気になる記事を切り取ってノートに貼り、気になる部分について、賛成は「○」、分からないは「?」、納得いかないは「×」を書かせていました。生徒はだんだん文章を書くようになり
、クラスの国語の平均点が大幅にアップしたそうです。斎藤さんは大学で新聞切り抜きの授業をしています。気に入った記事を切り抜いてノートに貼り、要約とコメントをつけ、選んだ理由と感想をグループで発表。「社会への関心が高まった」といった声が寄せられています。「新聞は日本語力の基礎を支えてきた」し、「新聞を通して、実用的な日本語の訓練を積んできた」という斎藤さんは、授業の内容を実践できるワークブック「新聞超活用 日本語力ドリル」(朝日新聞出版)も書いています。

 企業は「社会に関心のない人」は求めません。新聞で世の中にアンテナを張りましょう。見出しを見て、興味を持った記事、必要な記事だけでも拾い読みすれば、短時間で必要な情報を収集できます。実は忙しい就活生に向いているメディアなんです。パラパラめくれば、興味が広がり、自分の関心や志望業界に気づくことも。業界・企業の最新動向を志望動機などに生かせば、説得力がぐんとアップします。エントリーシート(ES)、筆記試験、面接、グループディスカッションなど、就活のあらゆる場面で役立ちますよ。

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