ニュースのポイント
今日の朝刊から、新聞の金融情報面に載っている株式欄の表記の仕方が少し変わりました。東京証券取引所(東証)で売買される代表的な株式の株価の最小単位を、1円から10銭に切り下げたからです。朝刊の金融情報面を開いてみましょう。
今日取り上げるのは、総合面(2面)の「いちからわかる! 株の値段の最小単位 なぜ1円から10銭に?」です。株式欄は金融情報面(12、13面と10面の下)にあります。今日から変わったのは、13面の一番上にある「TOPIX100銘柄」の部分です。
記事の内容は――22日から東証で売買される株式の一部で、株価の最小単位が1円から10銭になった。100円の次に高い値は、これまでは101円だったが、これからは100円10銭になる。変更の対象は「TOPIX(東証株価指数)100」と呼ばれる日本で代表的な100社の株式で、22日時点で変更されたのは80社。100円と100円10銭はわずかな差だが、株は通常、何株もまとめて売買するから取引量が多いと大きな差になる。東証は、大量の株を売買する外国人投資家が取引を増やすと期待している。ただ、取引量の少ない個人投資家には利点が少なく、大口投資家が個人より有利だとの批判も強まっている。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
株の売買をしている人は多くないでしょうから、今回の変更は就活生のみなさんには直接関係ないかもしれません。でも、株式欄には1部上場企業約1800社をはじめ、2部上場、ジャスダック、マザーズなどを含め計3000を超す企業の株価が毎日載っています。
株価は、その企業に対する評価の一つ。業績が良くなる、あるいは将来性があると見られれば上がり、逆ならば下がります。証券など金融業界を目指す人以外も株価に注目してみましょう。1円、10銭単位で覚える必要はありませんが、「○○円前後」と押さえたうえで、株価が上がっているのか、下がる傾向にあるのか、長期的に見ることが大切です。企業に関する新聞記事も一つひとつが株価に影響します。たとえば、有力な新商品発売や不祥事の記事が載った後、株価をチェックしてみてください。
株式欄を見ればわかるように、各企業の株は1株数十円から数万円まで、価格には大きな違いがあり、それぞれ原則として100株か1000株単位で取引されます。右の表を見てください。今回の変更で最小単位が10銭になるのは、株価が1000円以下の企業、株価が1000円超~5000円の企業の最小単位は50銭になりました。株価5000円超の企業の最小単位は1円、5円でこれまでと変わりません。
単位変更の初日は、みずほフィナンシャルグループの取引量(出来高)が先週末の4倍以上に、新日鉄住金は2倍になるなど、10銭単位で取引されるようになった企業の株を中心に取引が活発になりました。東証は今回の単位変更が軌道に乗れば、TOPIX100以外にも10銭単位の株式を増やして、外国人投資家をさらに呼び寄せたい考えです。
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