2014年07月10日

増える女性管理職 先輩社員のがんばりに続け!

テーマ:就活

ニュースのポイント

 かつては女性社員は「寿退社(ことぶきたいしゃ)」が当たり前だった会社で努力を続け、この春、部長に昇格した女性がいます。欧米の企業に比べるとまだまだですが、日本の会社でも女性管理職が少しずつ増えつつあります。女性管理職の多さは、女性が働きやすい会社の一つの目安です。

 今日取り上げるのは、2面の「女が生きる 男が生きる㊦/『アイドル視』覆し 市長再選/『寿退社』はねのけ 部長昇格」です。記事の前半は女性市長の話なので、ここでは後段の民間企業の話題を紹介します。
 記事の内容は――衛生陶器大手TOTOの環境部門の研究担当部長、豊貞(とよさだ)佳奈子さん(42)は入社時、一般職と給与はさほど変わらない「専任職」で採用された。12人の同僚は課長を除き全員女性で、ほとんどが数年で寿退社。豊貞さんは「社会全体が、結婚しないで残っている女性社員はかわいそう、という雰囲気だった」と語る。奮起して総合職昇格に必要な1級建築士の資格を取得。2004年に総合職になり、今春、女性で6人目の部長級に昇格した。TOTOは2005年、女性の活躍を推進するための部署を設置。1997年度に0.18%だった女性管理職は2013年度5.1%に。2017年度までに10%に増やす方針だ。豊貞さんは「今の私があるのは、先輩の女性たちが様々な壁を乗り越えてきたおかげ。私の事例も、今の若い女性が働きやすい環境づくりにつながると信じている」と言う。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 私が朝日新聞社に入社したのは、職場での差別を禁じる男女雇用機会均等法が施行された1986年。当時はまだ女性記者が珍しく、同期の女性記者は何人も結婚退職しました。でも、男中心の社会で頑張り続ける女性もいて、今では部長や役員に就いている人も。例年、新人記者の4割を女性が占めます。今日公開した「人事のホンネ」でインタビューした採用担当部長も岡本峰子さんという女性です。記事の最後で豊貞さんが語ったように、どの会社でも先輩女性が道を切り開いてきたのです。後に続くのはみなさんです。
 
 8日の朝刊の経済面には「管理職に女性 数値目標化/『定時で成果』育児も両立/成長戦略が追い風に/比率1割、欧米に遅れ」が載りました。今日の記事のTOTOと同じように女性管理職の数値目標を導入する企業が増えており、安倍政権が成長戦略で「2020年までに3割」という目標を掲げたのも追い風、という内容でした。左の表は、紙面には掲載されませんでしたが、朝日新聞デジタルに載った企業一覧です。イオンの「2020年に50%」という大きな目標が目を引きます。

 ただ、下のグラフでわかるように国際的にはまだまだ。欧米諸国の女性管理職の割合は軒並み3割を超えているのに対し日本は1割。女性役員の比率となると、わずか1.1%です。女性管理職が多いということは、女性社員が働き続けやすい環境や雰囲気があるということです。会社説明会やOG訪問、インターンなどの機会に、社としての取り組みや働きやすさについて、社員に直接聞いてみてください。企業を見極めるときの大事なポイントの一つです。

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