2014年06月18日

1分スピーチで「伝える力」「考える力」鍛えよう

テーマ:就活

ニュースのポイント

 高校野球の強豪校で、今春の選抜大会を制した龍谷大平安高校(京都)の野球部の練習は選手の「1分間スピーチ」で始まります。1分はわずかな時間ですが、事前に考えをまとめておけば、意外に内容をしっかり盛り込める長さです。面接で話す時間は、長くても1分が鉄則。就活セミナー「朝日学生キャリア塾」でも1分間の基本を身に付けてもらっています。

 今日取り上げるのは、スポーツ面(22面)の「球育 今どき高校野球/龍谷大平安・履正社/自立のため『考える力』/野球以外で1分スピーチ」です。

 記事の内容は――龍谷大平安の練習前、3年生が仲間の前で「13日の金曜日」について話し始めた。由来などインターネットで調べた情報を元に論を展開した。昨秋から始めた「1分間スピーチ」のテーマは「野球以外」。原田英彦監督は「考えなさいと。新聞や雑誌などで得た情報をかみ砕いて理解し、自分の言葉で説明する訓練です」と説明。自立した人間になることが野球部で過ごす2年半のテーマだ。

 かつては怒ると選手からの反発があり効果もあったが、今は怒鳴っても選手がしゅんとするだけ。「本当に理解しているのか分からない」と感じたのがスピーチを始めたきっかけの一つだ。半年で選手たちは流暢(りゅうちょう)に話せるようになり、同時に野球でも効果が。監督の指示なしでも選手同士で声を掛け合いタイムを取るなど、状況を頭に入れて判断ができた。伝統の厳しい練習に「考える力」が加わった結果の選抜初制覇だった。

 選抜決勝で戦った履正社(大阪)も「考える野球」を実践する。冬場の紅白戦では打者が自らの判断でサインを出す。岡田龍生監督はセオリーと違うサインでも根拠があればいいという。かつて選手は「駒」だったが、今は違う。「考えて、試行錯誤できないと、上にはいけない」。社会に出てからも同じ。その力を野球を通じて養ってほしいと願う。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 世間を笑わせ、考えさせた研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」。昨年も日本人が受賞して話題二位なりましたね。授賞式では受賞者による1分間スピーチが恒例です。時間をオーバーすると、女の子が出てきて「もうやめて、私は退屈なの」というお決まりのセリフを連呼します。長くなりがちな受賞者のスピーチを早く終わらせるための対策です。

 「朝日学生キャリア塾」(現在8月、9月コース募集中)では毎回、丸2日間の講座の最後の仕上げとして「1分間スピーチ」を全員にしてもらいます。講義の中でも「今日の朝刊 気になる記事」で、記事についての自分の意見を班の中で発表する「1分プレゼン」をします。1分間は、面接で話をするときの一つの目安です。

 一問一答は15秒から20秒程度で簡潔にまとめるのが望ましく、長くても1分程度。それ以上長くなると、聞いている面接官が飽きてしまいます。「3分間で自己PRしてください」などと指定された場合は別ですが、一つの問いに対して3分、5分と話されたら、聞いている方はたまりません。

 「人事のホンネ」でインタビューした各社の人事・採用担当者は、「面接は会話のキャッチボール」と口をそろえました。電通の真道哲哉さんは、面接で見るポイントの一つに「危険察知能力」を挙げます。「『志望動機は?』と問われて、用意してきた動機を延々としゃべり続けたりしたら危険察知能力ゼロでしょう。面談員が飽きていることに気づかず、短い面談時間の中で5分間も志望動機をしゃべるなんてあり得ない。そういったことも含めてコミュニケーション能力なんです」。実際には、こういう学生が多いわけです。

 真道さんは続けます。「仕事でもありますよね。お得意さんのところに行って、相手の顔色を見ながら、今日は新しい話を聞いていただけそうかな?とか、それともあんまりややこしい話を長時間はできないなとか、短めに切り上げるべきかなとかを考える。そういう、人と相対する能力は1次面談である程度見られるんじゃないでしょうか」

 そう。記事の龍谷大平安、履正社の両校の監督も言うように、こうした「考える力」「伝える力」は、就活の面接のためだけではなく、社会に出てからも必要な力なんです。話す内容を事前によく考えて、1分間でまとめる。学校など人前で話す機会に、ふだんから「1分間」を意識するようにしてください。

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