ニュースのポイント
いよいよ4月。多くの大手企業で、面接、筆記試験などの採用選考が一斉に始まります。面接で企業が見るのは、みなさんのコミュニケーション能力=会話力です。今日の記事は会話力アップの参考になります。実は誰にでもできることばかり。今からできる面接対策を伝授します。
今日取り上げるのは、34面の「くらしの扉/春、会話力みがこう」です。
出会いの季節に、初対面の相手とスムーズに会話するコツをまとめた記事ですが、面接にも役立ちそうな点をピックアップすると――自己紹介でうまくいかないのは、緊張のあまり早口でまくしたてたり、話がダラダラと続いたりするケース。姓と名の間は一拍置き、歯切れ良く話すのが基本。明るい声を心がけ、地声より少し高めを意識する。長さは1分程度。身だしなみで大切なのは清潔感。緊張しない人はいないので「場数を踏んで慣れるしかない。それまでは『緊張は誰でもする』と開き直る方がうまくいく」(島田浩子・日本話し方センター社長)。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
「人事のホンネ」で聞いた企業の人事・採用担当者の話や、私自身が採用担当部長だった経験から、誰にでもできる面接対策をまとめます。
①いつもより大きく高めの声を意識せよ
面接では「明るく元気」がとても大切です。多くの面接官は「一緒に働きたい人」を選びます。明るさは性格にもよるでしょうが、大きな声で話すことは意識すれば誰にでもできます。以前「朝日学生キャリア塾」で学んだ学生に最終面接直前特訓をしたことがあります。「こんにちは。○○□□です。本日はよろしくお願いします」という冒頭の簡単なあいさつ。本人ははっきり話しているつもりなのに、むにゃむにゃとして聞き取れません。「もっと大きな声で!」「ゆっくり、はっきり!」と10回ほど意識して練習すると、別人のように声が届くようになりました。全く印象が違います。面接は友人との日常会話とは別物。相手に届く話し方を身につける必要があるのです。自分が思うよりも大きな声を出すように意識してください。相手の目を見て話すことも大事です。
②答えは「1分以内」で
面接は会話のキャッチボールです。一つの質問に3分も5分もダラダラと答えたらアウトだと思ってください。面接官の質問の意図をくみ取り、思いを込めつつも簡潔に答えましょう。「○分以内で」という指定がなければ1回の答えは15秒から長くても1分で。キャリア塾では常に1分でプレゼンできるよう訓練します。自分で時間を横目に話してみてください。練習しておくと1分間で意外に多くのことを伝えることができます。ただし詰め込み過ぎると、かえって伝わりません。
③深掘り質問に備えよ
面接のやりとりは一問一答ではありません。一つ答えたら「なぜ?」「そのときどう思った?」と、深掘り質問が次々に飛んできます。一つの質問への回答ですべて答えなきゃと思わないこと。ただし、どうしてもアピールしたい点は出し惜しみせずに早めに。言えないまま終わってしまうともったいないですから。面接の基本はESです。ESに書いたことはどんな角度から突っ込まれても答えられるようにしておきましょう。
④丸暗記は絶対にするな
自己PRや志望動機の丸暗記は絶対にしてはいけません。緊張から記憶が飛んでしまったらアウトだし、もしスラスラ言えたとしても、せっかく直接会って話す機会なのに用意してきたことをそのまま話す学生に面接官は本当にがっかりするものです。お薦めはキーワードを押さえることです。出だしとオチ、あとはいくつかのキーワードだけ覚えておけば自分の言葉で話せます。
⑤詰まってもいい、ありのままの自分で
面接官はあなたの素顔を見ようと、いろいろな質問を繰り出します。相手は人を見るプロ。飾り立てても無駄です。想定外の質問には多少詰まっても大丈夫。その場で一生懸命考えて自分の言葉で答えてください。ありのままの自分を出して落とされたら、あなたには合わない会社だったと割り切りましょう。
⑥緊張して当たり前
面接では緊張して当たり前です。今日の記事にあるように「誰でも緊張する」と開き直れば、ガチガチの過度の緊張は解けるでしょう。むしろ、いい緊張感は大事です。「なおこの就活道場 第13回 面接の落とし穴?会話が盛り上がったのに落ちたみのる」を読んでみてください。
⑦集団面接は積極アピール
一度に数人が並ぶ集団面接では個人面接と異なり、あなたへの質問は数回しかきません。アピールしたいポイントは早めに言いましょう。目立ち過ぎを遠慮する人が多いようですが、集団でも個人個人を見られているのです。言いたいことを言えずに終わる方が後悔しますよ。
ここに書いたことは、単なる就活の面接テクニックではありません。面接に備えて身につけたコミュニケーション力は、就職してからの仕事に必ず生きます。しっかり準備して面接に臨みましょう。