ニュースのポイント
ソニーが電機部門の不振で2年ぶりの最終赤字となることから、思い切ったリストラ策を発表しました。パナソニック、シャープは苦境から抜け出し、日立、東芝、三菱電機の「重電3社」は好調です。大手電機メーカー8社の中で明暗がはっきりついてきました。
今日取り上げるのは、1面の「ソニー 1100億円赤字へ/14年3月期/TV事業分社化」」と、経済面(6面)の「ソニー国内外5000人削減」「電機各社 スマホ部品好調」です。
記事の内容は――ソニーは2014年3月期の業績予想で純損益が1100億円の赤字になると発表した。中核の電機部門の不振やリストラ費用で2年ぶりの最終赤字となる。電機部門の黒字化に向けて、パソコン事業の売却やテレビ事業の分社化、5000人の人員削減を柱とする改革策も発表した。
大手電機メーカー8社の2013年4~12月期決算が出そろった。NEC以外は営業損益が増益になったり、黒字に転換したりした。業績を押し上げたのは、テレビなどの消費者向け家電ではなく、部品や材料などの企業向け製品や社会基盤(インフラ)に関係する事業だ。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
日本の大手電機メーカー8社は、大きく3つに分けられます。①産業用の発電機などに重点を置く日立製作所、東芝、三菱電機の3社は「重電3社」。②パナソニック、ソニー、シャープは「家電3社」。③富士通とNECはIT分野に軸足を置いた会社です。
決算で重電3社は、自動車の電機系部品やエレベーター、半導体などが売れて好調。富士通とNECは、企業向けのITシステムの注文が増えています。
家電3社は、テレビ事業が韓国勢との価格競争に敗れ、この数年赤字続きで苦しい経営が続いていました。ただ、パナソニックは自動車向け部品や住宅事業の強化を急ぎ、13年4~12月期の純損益はこの期間では過去最高を記録。シャープは、得意の液晶パネルをテレビ用からスマホ用に切り替えて中国や韓国のスマホメーカーに売り始め、純損益が3年ぶりに黒字に転じました。
そんな中、「改革の遅れ」が指摘されていたソニーが、「顔」ともいえるテレビとパソコンの二つの事業に大なたを振るうことになりました。残る電機部門のスマホ、ゲーム機、デジタルカメラに加え、音楽・映画といったエンターテインメント部門、ソニー銀行などの金融部門を柱にしていくことになります。今回の改革で再建できるのか。日本を代表するメーカーだけに目が離せません。
「電機メーカー」といっても、それぞれ得意分野があり、個性、特徴があります。会社説明会などで基本を押さえたうえで新聞記事を読むと、各企業がめざす方向性も見えてきます。志望企業の過去1年分の新聞記事を朝日新聞デジタルや大学図書館にある朝日新聞記事データベース「聞蔵Ⅱビジュアル」などで検索して、目を通しておきましょう。
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