2013年12月20日

出産、子育て…仕事はどうする?退職or両立

テーマ:社会

ニュースのポイント

 バリバリ働く「バリキャリ」か、私生活を優先する「ゆるキャリ」か、出産を機に仕事を辞めるのか……。会社選びをしながら、仕事と将来の子育てを両立できるのか漠然と不安に思っている人がいると思います。世の中には、両立させている先輩女性社員たちがたくさんいます。

 今日取り上げるのは、生活面(31面)の「就活する君へ③働く母たちに接し将来を想像する」。共働き家庭インターン会社社長の堀江敦子さんのインタビューです。共働き家庭で育児体験するインターンシップを学生向けにおこなっています。
 堀江さんの考えは――子育ての苦労がわかることで、子育てしながら働くとはどういうことか想像し、仕事に向き合う姿勢や覚悟が定まってくる。就活で職業や企業を選ぶ際にも参考になる。インターンシップ参加者は、働きたい、子育てもしたい、でも不安という「モヤモヤ女子」が多い。漠然とした不安があって、仕事と子育ての両立を働く前からあきらめかけている。何でも完璧にこなすワーキングマザーはほとんどいない。子育てはハプニングだらけで思った通りにならないが、何とかなる。働く女性の2人に1人は、第1子の出産を機に仕事を辞めている。日本では、仕事と子育ての両立がまだ当たり前になっていない。いったん仕事を辞めると復帰が難しい。福利厚生がよく、残業が少ないからといって、大企業の一般職を安易に選ぶことは避けた方がいい。スキルが身につかず、出産後に仕事が続けられない状況に陥ることもある。子育てするしないに関係なく、働き続ける覚悟を持って欲しい。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 日本の女性の年齢別の就業率をグラフにすると、30代が大きくへこむ「M字カーブ」を描きます。出産、子育てを機に仕事を辞める女性が多いためで、他の先進国には見られない現象です。子どもを持つかどうか、仕事を辞めるか続けるかは個人の選択ですが、一度辞めてしまうと、専門的な仕事をしてきた人以外は、再び仕事をしようと思っても前と同じ条件、待遇で働けることは難しいでしょう。できれば、辞めずに働き続けられる会社を選びたいものです。そのためには、働きながら子育ても頑張っている先輩女性社員の話を直接聞くのが一番です。OB・OG訪問などで社員に会うことができたら、両立している女性社員を紹介してもらえないか頼んでみましょう。両立している女性社員が多い会社なら、喜んで紹介してくれるはずです。10月25日の今日の朝刊「女子が働きやすい会社の探し方」も読んでみてください。

 インタビューをした伊沢友之記者は記事の最後にこう書いています。「仕事に向き合う姿勢は『バリキャリ』でも、『ゆるキャリ』でも、両社の真ん中でもいい。重要なのはどれが良い悪いではなく、自分の判断で、どう選ぶかだ。それは子育ても同じだ」「仕事選びの段階で、自分自身の将来の可能性を狭めてしまうのは、あまりにももったいない」。
               
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