2013年11月28日

自ら企業を選べ!「中小企業」にも目を向けよう

テーマ:経済

ニュースのポイント

 景気が上向いていることもあり、学生のみなさんの大企業・有名企業志向が強まっているようです。しかし、多くの大企業は「厳選採用」の姿勢は変えず、採用基準は下げないと言われています。人気企業は狭き門です。早い時期から中堅・中小企業にも目を向けることをお勧めします。就活ニュースペーパーでは明日から、朝日新聞の中小企業担当記者による新コラム「中島隆の輝く中小企業を探して」がスタートします。ご期待ください。

 今日取り上げるのは、金融情報面(17面)の「経済気象台/見えないものが見えてくる」です。
 「経済気象台」は、第一線で活躍する経済人、学者など社外筆者によるコラムで、今回の筆者は自動車部品会社の経営者です。大学で「中小企業の存在価値」に関する講義もしているが、学生は「自分が働く対象として中小企業を見ていない」といいます。「学校で何を学ぶか、会社で何をするかではなく、合格や内定自体が目的化」していて、知っている会社に「就社」したいからではないかと指摘します。だから、経営する会社の面接では「なぜ働くのか、何をやりたいのか」の答えを持ってきてほしいと言うそうです。「入り口で時間をかけて一人ひとりの人生と向き合っていると、それまで見えなかった学生の潜在能力が、どんどん見えてくる」と、会社にとっての面接と採用の大切さを書いています。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 中小企業とは、製造業では資本金が3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5000万円以下または50人以下、サービス業は5000万円以下または100人以下の会社のことをいいます。国内の企業420万社のうち中小企業は99.7%、働く人の数では7割を占めます。日本の経済は中小企業に支えられており、小さくてもその分野では「日本一」「世界一」という会社が多くあります。今日の筆者は以前のコラムで「部品は世界中の車で使われている。そして、常に世界中のライバルと闘っている」と書きました。中小企業の矜持(きょうじ)を感じます。

 大企業にはネームバリュー、好待遇、大きな影響力、安定などのメリットがありますが、中小企業にも一人ひとりの社員の責任や裁量の大きさ、チャレンジ精神の発揮しやすさ、出世の早さといった良さがあります。まして近年は時流に乗り遅れれば大企業でも倒産する時代です。書類選考や適性検査でばっさり足切りしたり、1人数分の面接で済ましたりせず、社長自らが面接するなど丁寧な選考をする中小企業が多いと思います。数年前の「超氷河期」と呼ばれたときには、学生の大企業志向が強すぎて採用意欲のある中小企業に目が向かないことによるミスマッチが指摘されました。

 「経済気象台」の筆者は「人生は一度きり。企業に選ばれるのでなく、自ら企業を選んでほしい」と書きました。会社の名前や大きさではなく、事業や仕事内容、社風などで自分に合う企業を探してください。入社してから「こんなはずじゃなかった」と後悔することのないよう、会社説明会で、OB・OG訪問で、選考の過程で、しっかりと会社を見極めてください。
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