2013年11月25日

博物館で企業の歴史に目を向けよう

テーマ:科学技術

ニュースのポイント

 日本企業の歴史的な技術を見直し、保存しようという動きが広がっています。業界・企業研究では、まずは最近の企業の動向を知ることが大切ですが、国立科学博物館(科博)など公的な施設や各企業の博物館、資料館に足を運んで製品や機械を目にし、企業の歴史を体感することで、さらに深く学ぶことができそうです。

 今日取り上げるのは、科学面(23面)の「これぞ日本の独創性 『未来技術遺産』の登録135件」です。
 記事の内容は――2008年に始まった国立科学博物館の「未来技術遺産」は、日本の科学技術の発達に重要な貢献をした資料を選び、その所有者に対し、できるだけそのままの形で保存するよう要請する。登録対象は明治以降の近代から10年ほど前までの技術で、積水化学工業のユニット工法住宅・セキスイハイムM1、ソニーのウォークマン、花王が開発した酵素アルカリセルラーゼなど、6年間で135件が選ばれた。科博・産業技術史資料情報センターの亀井修参事は「日本の科学技術が世界に貢献した証しとして多くの人に知ってほしい」と語る。真空管式コンピューター、国産初の電気洗濯機、量産型カラーテレビなど15件が登録されている東芝の科学館館長は「昔の技術者たちの苦労話や、歴史の転換となった技術のエピソードなどが、いまの技術者の開発のヒントになってくれればいい」と話す。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 企業の成り立ちや技術の歴史などを集めた博物館や資料館は、国や各地の自治体にあるほか、歴史のある企業が自社の施設を持っているケースもあります。JR東日本の「鉄道博物館」、東京ガスの「ガスの科学館」などレジャー施設として有名なものだけでなく、企業内の資料室などを一般に公開している会社もあります。トヨタ自動車は「トヨタ博物館」「豊田佐吉記念館」「産業技術記念館」など、複数の施設を運営しています。多くの施設には、各企業の技術の歴史や誇りが詰まっています。ぜひ体感してみてください。

 一方で、負の歴史を受け継ぐ施設もあります。日本航空の「安全啓発センター」は、多数の犠牲者を出した1985年の日航ジャンボ機墜落事故を風化させず、安全運航を再確認する場として開設されました。グループ社員の研修施設ですが、一般にも公開しています。事故の直接原因とされる後部圧力隔壁など機体の一部や遺品、遺書などを展示しているほか、その後の安全運航への取り組みなどを紹介しています。

 こうした施設を見学する際は、「面白い」「すばらしい」という一般消費者の目線だけでなく、「この技術を生み出した背景」など、一歩踏み込んで考えてみることが大切です。そこで感じたことを志望動機などに盛り込むと説得力が増しますよ。事前予約が必要な施設も多いので、まずは各企業に問い合わせてみてください。

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