2013年10月29日

環境ビジネスに取り組む企業に注目しよう

テーマ:環境・エネルギー

ニュースのポイント

 「美しい星 つながる未来」をテーマに「朝日地球環境フォーラム2013」(朝日新聞社主催)が開かれ、環境問題に取り組むさまざまな分野の企業が参加しました。各社は、水問題、「究極のエコカー」と呼ばれる燃料電池車開発、エネルギーを有効活用するスマートシティーなど、具体的な事例を紹介し、乗り越えなければならない課題について議論しました。地球環境問題の解決には企業の積極的な取り組みが欠かせない一方、大きなビジネスチャンスでもあります。

 今日取り上げるのは、19面から21面の「朝日地球環境フォーラム2013」特集です。
 記事の内容は――フォーラムでは、「宇宙からの発見 美しい地球」「豊かな水が社会を支える」「究極のエコカー 燃料電池車の未来」といった講演や討論があり、のべ約3800人が耳を傾けた。
全国の工場の水源となる森林の整備を続けているサントリーは、水を蓄えてきれいにする森の役割を学ぶ小学生向け環境教育プログラム「水育(みずいく)」を2004年から実施しており、学校での出張授業を再現した。TOTOは、水の浄化やお湯にする際の二酸化炭素(CO2)排出を減らす節水の技術開発を紹介。イオン環境財団は、環境保護活動に取り組むNPO法人などへの助成実績を披露した。パネル討論では、トヨタ自動車が燃料電池車開発について説明。パナソニック・エコソリューションズ社と三井不動産は、情報技術を使い街全体でエネルギーを有効活用する「スマートシティー」について議論した。NTTは、通信機器で農作物のデータを集め、農薬や肥料を極力使わない農法の研究事例を紹介した。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 先に発表された国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書によると、今世紀末に世界の平均気温は最大4.8度上がり、海面は82センチも上がるそうです。温暖化の原因は95%以上の確率で人間の活動にある、とも指摘しました。このままで立ちゆかなくなるのは明らかです。温暖化防止には、企業の技術開発やCO2削減への対応が不可欠です。フォーラムで紹介された例はごく一部ですが、企業の環境問題への関わり方や課題を浮き彫りにしました。

 燃料電池車でいえば、現時点の1台1000万円弱という価格では普及は望めません。トヨタの小木曽聡常務は「すばらしい性能の車でも、価格が高かったり、使いにくかったりしたら、普及しない。普及してなんぼ」「いかに2015年までにコストを下げられるか。その後も技術革新を進め、最終的には数を増やさないと1台当たりの採算もとれない」と語りました。技術開発と水素ステーションの整備が大きな基盤です。スマートシティーに関しては、討論のコーディネーターを務めた朝日新聞の多賀谷克彦編集委員がこう指摘しています。「(これまでの都市開発では)開発業者は土地を造成して、住宅を売ってしまえばおしまい。これからは『街区を、都市を育てる』という視点から、事業者が長く関わっていく時代になる」。環境問題がビジネスの在り方を変えていく例です。

 再生可能エネルギー開発など環境ビジネスに取り組む企業はたくさんあります。というより、これからは環境問題を意識することは絶対に必要です。かといって、安定した利益が出ないとビジネスにはなりません。企業研究の際には、ホームページなどで企業の環境問題への取り組みもチェックしてはどうでしょう。

※朝日新聞デジタルの無料会員は1日3本の記事全文を、有料会員になればすべての記事を読むことができます。ぜひ登録してください。

アーカイブ

テーマ別

月別