ニュースのポイント
業界・企業研究で何より大切なのは社員に会って直接、会社や仕事の話を聞いてみることです。業界研究のための合同イベントで社員に質問したり、OB・OG訪問をしたりしてみましょう。1人でも多くの社員に会って、仕事観を養ってください。銀行の支店や百貨店、その他店舗など、自分が利用者としてサービスを受けられる場所に行ってみるのもオススメです。
今日取り上げるのは、24面の進学特集「伝える・聞く力 鍛えよう/議論・交渉 企業経験者から刺激/『どう書くか』で対話引き出す」です。
記事の内容は――社会に出て問われる力として注目される「コミュケーション力」。学生のその力を鍛えようと、きめ細かな指導や新しい形の講義を工夫する大学が増えた。電気通信大ではキャリア教育の一環として、グループワークで学ぶ「課題解決型学習」を始めた。「キャンパス内の携帯電話がつながりにくい場所の解消」「自治体と協力し小中学生の理科離れを防ぐ」など人の役に立つテーマを決め、実行する必修科目。チーム内の議論や、学内外での交渉やヒアリングなどコミュニケーション力が鍵になる。民間出身者を中心とするチームティーチングアシスタント(TTA)がアドバイスしたりリポートにコメントしたりして、ビジネス現場の知識や感覚を伝える。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)
就活アドバイス
電通大の担当教授は「社会人と接する機会が少ないまま就職活動を迎える学生がいることが気になっていた」と言います。たしかに、普通に学生生活を送っていると、アルバイトなどを除き、企業の第一線で働く社会人と話す機会はあまりないと思います。みなさんがこれからの就活で体験する面接は、企業人との対話です。いきなり本番で話をしようと思っても、なかなか難しいですよね。本番前に企業人と話す機会を持つべきです。電通大のように大学がこうした機会を設けてくれればいいのですが、そうでなければ、自ら機会を作らなければなりません。朝日学情ナビの「キャリアデザインフォーラム」など多くの企業が参加する合同説明会が開かれていますし、12月からは各社の会社説明会も一斉に始まります。こうした機会に、一方的に説明を聞くだけでなく、積極的に社員に話しかけ、いろいろ質問してみましょう。何を聞いたらいいかわからない人もいるかもしれません。事前にホームページを見る、説明会で気になったことをメモしておくなどして、まずは勇気を出して聞いてみましょう。
さらに一歩進んで、OB・OG訪問にも積極的にトライしてみてください。まずは大学のキャリアセンターに相談してみましょう。名簿を用意しているところが多いと思います。ゼミやサークルの先輩など、使えるネットワークもどんどん利用しましょう。
記事に登場する電通大の学生は「元々技術営業職に関心があったが、企業見学で視野が広がり、研究開発職にも興味がわいた」と話しています。NTTドコモを訪れ「仕事の意味」を社員に聞いたことが刺激になったそうです。「人事のホンネ」でインタビューした三井住友銀行の採用担当者は「いくつも支店見学をして、行員の対応を生で見たり、話をしたりした経験を語る学生は迫力が違う」と話していました(近く掲載します)。
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