2025年02月06日

マスコミ系採用本格化、エピソードの一貫化に悩む【26卒学生の就活ルポ25】

テーマ:学生の就活ルポ

 2026年卒学生の就職活動を適宜、「就活ニュースペーパー」で紹介するこのコーナー。今回は、志望企業に内定を得た地方国立大工学部のシンヤさんと、マスコミ系を志望する都内女子大のシュリさんが登場します。すでに進路を決めているシンヤさんは、しばらく就活生として活動できるメリットを生かして気になる企業を探したり研究したりといった活動を続けています。趣味をフックにビジネスモデルなどを研究するトレーニングをすると、就活に使えるかもしれません、と語っています。シュリさんはここから就活本番、エントリーシートのブラッシュアップなど多忙に過ごしています。(編集部・福井洋平)
(写真はすべてiStock)

【地方国立大 工学部 3年男性 シンヤさん】

■「展示会」チェックすれば伸びそうな企業がわかる
 内定をいただいていた3社のうち1社は昨年断りをいれたのですが、年明けもう1社にも断りの連絡をして、進路はもう決めました。断った会社はとてもいい会社なのですが、自分が行こうとしている会社は社員数が少なく、自然にいろいろな仕事をすることになりスキルが身につくと考えそちらを選びました、ということをお伝えしました。いまは進もうとしている会社のインターンとして、自宅で作業をしています。

 いまは内定先の競合になりそうな会社や、面白そうな企業を調べたりしています。最近ですと、日本でどれくらいバーティカル(特定の分野に特化した)なソフトウェアサービスがあるのか調べてみました。そうしたら、引っ越し業者の資材管理や車両管理といった業務を扱うソフトウェアサービスをみつけてちょっとびっくりしま  した。英語圏では人口が多いから成立していると思っていたニッチなサービスが、日本でも成立するんだという気づきがありました。       

 ほかに注目しているのは、健康に関するヘルステックの分野。「CES」など海外の展示会などをチェックしていると活発な動きが出ていると感じます。この業界で戦ってみるのも面白いかもしれませんね。建設やDXといったテーマで地方で開かれている展示会を調べたりもしています。前回は出ていないが今回は出ている企業や業界を見ると、成長する企業や業界が見えてきたりするんじゃないかと考えています。

■ビジネスモデルの考察、就活にも効く
 仕事関連でいえば、いま自分が手がけているサービスの価格設定の参考にしようと大手ソフトウェアメーカーのサービス価格を調べてみたら、サービス領域のどこまでを無料で使えて、どこから有料にするかという設定が非常に絶妙でした。お金がまだない企業には優しく、ちゃんと成長しそうな企業からはしっかり集金するという仕組みが組み込まれていることがわかって、勉強になりました。

 ビジネスがどうやって成立するか、ということを考えるのは、就職活動にもすごく役立つと思います。コンサル企業や大手商社ではよく入社試験でフェルミ推定が出ることがあり、自分も「近所にあるコンビニの1日の売り上げを教えてください」という質問を受けたことがあります。レジにどれくらい人が並んでいるか…… という風に考えるのも悪くないですが、コンビニのビジネスは商圏によって左右されるので、自宅近所がどういう住民構成になっていて、競合他社はどのくらいいて、といった商圏を考えていくことで正解に近づくという思考方法もあると思います。

■まずは自分の趣味から深掘りしてみる
 考える力をつけるには、自分の趣味から発想を広げるという方法もいい、と感じています。自分はeスポーツが好きなので、たとえばeスポーツのビジネスモデルや、競技人口は何人程度なのかといったことを考えたり、実際に就活で質問されたりもしていました。企業が採用したい人は、自分で考えて仕事をしてくれる人。せめて趣味のことなら頭を使って考えられるだろう、と企業側が考える可能性は高いと思います。趣味を深めることは、そういう意味でも就活に結びつくと思いますね。自分もeスポーツを通じて、対戦相手のことを隅々まで考える、相手の立場に立ってものを見る、という視点を養えたんじゃないかと思います。

 いま周りの同級生が就活を本格的に始めていますが、意味がわからないなと思って見ているのがウェブテストですね。チャットGPTを使えば解ける問題も多いですし。あまりチャットGPTを使っている学生がいないのかな、とも感じています。

【都内女子大 文系学部3年 シュリさん】

■エピソードに一貫性持たせることに悩む
 就活への悩みがつきなかったので、年末年始は地元に帰って友人と遊んだり、家族とたわいもない話をしたりして過ごしました。就活をしていない友人に自分の話をして、「つらいんだね」といってもらい、気分が楽になりました。あと、好きなエッセイストのイベントに参加して「就活で悩んでいます」ということを伝えたら、すごく励ましてくださり、勇気をいただけた気がします。ただ、年明けに風邪を引いたこともあり、なかなか起き上がる気力も出てこなくて、就活対策についてはしばらくは新聞を読んだり会社説明会やエントリーシート(ES)書き方講座のアーカイブを見返したりして過ごしていました。

 いまは大手新聞社のエントリーが始まり、エントリーシート(ES)を書き始めています。ある会社は書いている途中の段階で現役社員が個別面談でチェックしてくれるというイベントがあり、そこには申し込んでいます。ESは、夏のインターンシップ選考時に出したものより文字数が増えており、どのエピソードを盛り込むべきか、どう一貫性を持たせて書くのか、ぎりぎりまで悩んでいます。

アーカイブ

テーマ別

月別