2013年09月06日

ドコモがiPhone販売へ 競争激化、メーカーにも影響

テーマ:経済

ニュースのポイント

 NTTドコモが米アップルの人気スマートフォン「iPhone」の新機種を販売することになりました。国内シェアの低下が続くドコモと、世界の携帯端末シェアで韓国サムスンに差をつけられているアップルが歩み寄りました。iPhoneをすでに扱っているKDDI(au)、ソフトバンクとの競争が激しくなるだけでなく、国内の端末メーカーや部品メーカーにも影響が出そうです。

 今日取り上げるのは、1面トップの「ドコモ、iPhone販売へ/20日にも開始/契約数回復狙う」です。
 記事の内容は――アップルは10日(日本時間11日未明)に新機種の発表会を開き、その場でドコモへのiPhone供給を公表する方向。発売は早ければ20日とみられる。消費者の選択の幅が広がり、サービス面の競争も期待できそうだが、ドコモと二人三脚で歩んできた日本の端末メーカーには痛手となる可能性が高い。iPhoneは2008年にソフトバンク、11年からauが販売しており、iPhone目当てにドコモから両社への乗り換えが相次いでいた。ドコモは契約数回復への起爆剤にしたい考えだ。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 今日の「ドコモ、iPhone販売へ」は、朝日新聞と日経新聞の特ダネ記事です。昨日のこの欄に書いた2種類のスクープのうち、まもなく発表されることを事前にいち早く報じるパターンです。消費者の関心が高く、国内外の携帯関連の企業に大きな影響を与えるニュースですから、報道各社はこうしたスクープ合戦にしのぎを削るわけです。

 身近なスマホの話題ですが、裏側では国内外の企業の思惑が交錯し、合従連衡(がっしょうれんこう)が激しくなっていることがわかります。最大手ドコモの国内シェアは、10年前56%を占めていましたが、今年3月には42%まで落ちました。人気のiPhoneを販売していなかったためといわれています。今夏にはソニーとサムスンの2機種を重点機種にする「ツートップ戦略」を打ち出しましたが、契約数の減少は止まらず、「一人負け」が続いていました。一方のアップルも、昨年発売した「iPhone5」が世界では思ったほど売れませんでした。ドコモによるiPhone販売はこれまでの交渉では条件面で折り合いがつかなかったのですが、今回は両社の利害が一致し歩み寄った形です。

 日米の「巨人」が手を結ぶ影響は大きく、au、ソフトバンクとのサービス競争に加え、ドコモの端末を作ってきた国内メーカーや、iPhoneに部品を供給している多くの電子部品メーカーの今後も左右しそうです。新機種はまだわかりませんが、iPhone5の部品は半分以上が日本製といわれ、村田製作所、TDK、ローム、ジャパンディスプレイ、ルネサスエレクトロニクス、エルピーダメモリ、イビデン、東芝、旭化成、セイコーエプソンなどが供給しています。携帯やスマホの記事には多くの企業名が登場します。注目してください。

 スマホ事業をめぐっては先日、米マイクロソフトがフィンランドのノキアの携帯事業買収を発表。今日の経済面(10面)には腕時計型など身につける新型携帯の話題が載っています。

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