就活ニュースペーパーは来週の更新をお休みし、年明けは1月4日から再開します。年が明ければすぐに就活本番です。冬休みを有効に活用して準備を進めてください。(編集長・木之本敬介)
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GXって?
GXは、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料依存から脱し、クリーンエネルギーを主軸とする産業構造、社会システムへと変革を図る取り組みのこと。日本政府は2050年にカーボンニュートラル(脱炭素)社会の実現を掲げています。気候変動の主な要因となっている温室効果ガスの排出量削減を経済成長の機会ととらえ、排出削減と産業競争力向上の両立を目指す取り組みです。
GX経済移行債20兆円で促進
ただ、実効性は未知数です。政府は2030年度の温室効果ガス排出を2013年度比で46%減らす目標を掲げていますが、カーボンプライシングの本格導入が2033年度からでは遅すぎるとの声もあります。
経済界のGXへの取り組みについて、もっと知りたい人はこちらを見てください。
●経団連サイト「グリーントランスフォーメーション(GX)に向けて」
「将来にわたって原子力を活用」
一つは、福島の大事故以来タブーとされてきた原発の新規建設です。歴代政権は原発の再稼働は進めてきましたが、古くなった原発の建て替え(リプレース)には踏み込みませんでした。岸田文雄首相もこれまで「(建て替えや新増設を)現時点では想定していない」と言ってきましたが、基本方針案では「将来にわたって原子力を活用するため、建設に取り組む」と明記しました。廃炉を決めた原発の建て替えは、政府が「次世代革新炉」と呼ぶ改良型の原発を想定しています。原発のない地域に建てる新設や増設についても「検討していく」としました。
もう一つは原発の運転期間の延長。原発事故の教訓をもとに原則40年、最長20年延長できると定めたルールの骨格は維持しつつ、再稼働に必要な審査などで停止した期間を運転期間から除きます。仮に10年間停止した場合、運転開始から70年まで運転できるようになります。
ウクライナ危機による電力料金高騰と電力不足で…
ただ、すでにある原発の再稼働とは違い、新規建設は今後長期にわたって原発に依存することを意味します。政府のエネルギー基本計画にある「可能な限り依存度を低減」という方針に反することになりかねません。原発依存の是非は国民的な議論が必要な大テーマですが、首相が原発推進策の検討を指示したのは8月下旬。直前の参院選では建て替えなどの考えは示さず、選挙後に原発推進派が大半を占めるGX実行委員会(議長・岸田首相)で検討を進め、わずか4カ月で結論を出しました。しかも、新規建設は早くても2030年代で、今の電力危機の解決策にはなりません。原発事故後に安全対策が強化され、建設には1兆円規模の費用がかかります。原発の使用済み核燃料から出る「核のごみ」を捨てる場所も決まっていません。福島の事故後に「脱原発」を掲げてきたドイツも、ウクライナ危機を受けて年内を予定していた原発の全基停止を見送りましたが、「地震大国日本」ではリスクがけた違いです。
原発推進は再エネの足かせにも
政府は国民の意見を募るパブリックコメントを始め、基本方針案を閣議決定。原発の運転延長や移行債の発行などに必要な関連法案を来年の通常国会に提出する予定です。今後の議論に注目するとともに、「自分事」として考えてみてください。
(写真・国内初の大規模な洋上風力発電所が営業運転を始めた=2022年12月22日、秋田県能代港湾)
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