(写真は、東京・新橋駅を出発する鉄道開業150年の記念列車=2022年10月14日)
(写真は、東京・新橋駅を出発する鉄道開業150年の記念列車=2022年10月14日)
大手18社が黒字に
鉄道大手18社の2022年4~6月期の連結決算で、同じ期間で3年ぶりに全社が黒字となりました。2021年は8社が赤字だったので、コロナ禍の落ち込みをようやく脱したといえそうです。18社の運輸収入は2019年の同期の7割ほどですが、10月11日に始まった観光支援策「全国旅行支援」で、さらなる回復も見込めそうです。ただ、コロナ禍で定着したテレワークを続ける企業もあり、長期的には通勤客が以前のレベルに戻るかどうかはわかりません。
「羽田空港アクセス線」「なにわ筋線」
大阪では、大阪メトロ中央線を延伸させた「北港テクノポート線」の南ルート(コスモスクエア-夢洲間)が2024年度に開業予定。大阪中心部を南北に貫く鉄道新線「なにわ筋線」も2031年の開業予定です。羽田空港アクセス線、なにわ筋線はインバウンド(訪日外国人客)増加による空港へのアクセス向上が目的です。
リニアで品川-大阪67分
(写真は、リニア中央新幹線の試験車両)
JR東は鉄道以外の売り上げ5割の方針
鉄道業界は、コロナ禍で本業の売り上げが落ち込み、不動産や駅ビル、スーパーといった他の事業で稼ぐ傾向が強まっています。JR東は、社員4000人を鉄道事業から他の分野に再配置する予定で、鉄道事業とそれ以外の売り上げの比率を7対3から、5対5にする方針です。JR西日本もJR大阪駅北側の「うめきた」エリアで大規模な再開発を続けています。複合施設「グランフロント大阪」そばには2023年春、「うめきた(大阪)地下駅」が開業し、京都や大阪と関西空港方面とを結ぶ特急が停車する予定。神戸市のJR三ノ宮駅では新駅ビルの開発が進み、ホテルやオフィスなどが入る高さ約160メートルの駅ビルは2029年度の開業をめざしています。名古屋駅周辺でもリニア中央新幹線開通に向けた再開発が進められています。
(写真は、新宿駅に建設される超高層ビルのイメージ=小田急百貨店提供)
JR九州は不動産・ホテル業?
ここまで読めば、これからの鉄道会社は「鉄道好き」だけで通用しないことが分かりますね。鉄道ファンで志望する人は、本業以外の事業についてよく調べておかないと厳しい結果になりかねません。一方で鉄道会社は視野に入っていなかったけれども、街づくりやホテル、観光、小売り、飲食などに興味がある人にとっては、この業界にこそやりたい仕事があるかもしれません。視野を広げて企業研究を深めてください。
(写真は、長崎駅を出発する西九州新幹線の一番列車「かもめ2号」=2022年9月23日、代表撮影)
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2023/11/29 更新
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