2022年10月11日

ウクライナ全土にミサイル攻撃 深刻化する戦争の行方に注目【週間ニュースまとめ10月3日~10日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 この週は、戦争と平和に関係するニュースがいろいろありました。4日朝には、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、日本上空を通過して太平洋に落下しました。北朝鮮のミサイルが日本上空を通過するのは5年ぶりで、全国瞬時警報システム( Jアラート)も5年ぶりに使われました。7日にはベラルーシの人権活動家、ロシアの人権団体、ウクライナの人権団体にノーベル平和賞を授与するとの発表がありました。ロシアがウクライナに侵攻し、ベラルーシは侵攻に協力する中、平和と民主主義のための市民の活動が評価された形です。8日にはロシアとクリミア半島を結ぶクリミア橋で爆発がありました。ウクライナの仕業だとみるロシアは10日にウクライナ全土に大規模なミサイル攻撃を実施しました。平和を求める声があるにもかかわらず、世界のきな臭さは増しています。特にウクライナ情勢は深刻で、戦争がもっと拡大しそうな局面になっています。万一、ロシアが核兵器を使うようなことがあれば、世界はどうなるか予測不能です。わたしたちの生活は平和の上に成り立っています。ウクライナ情勢の行方に注目するようにしましょう。(ジャーナリスト・一色清)

(写真左はウクライナのゼレンスキー大統領/右はロシアのプーチン大統領=ロシア国営ノーボスチ通信が動画サイト「RUTUBE」で配信した動画から)

【経済】TポイントとVポイント統合へ 顧客数は国内最大級、再編議論加速も(10/3.Mon)

 レンタルビデオ大手「 TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と三井住友フィナンシャルグループ(FG)は3日、傘下のポイント事業を統合すると発表した。両者の「Tポイント」と「Vポイント」を単純に合算した会員数は約1億2200万人で、国内最大級のポイントサービスとなる。両社が資本・業務提携に向けた基本合意書を結んだ。今後、CCC側のTポイント運営企業に三井住友側から出資する。両ポイントを新ブランドに統合する方針で、それぞれの顧客基盤を拡大する狙いがある。ポイントがたまるお得さを売りに顧客をつなぎとめる商圏は「ポイント経済圏」と呼ばれる。老舗として存在感を発揮してきたTポイントだが、ヤフーとの提携が今年3月に終了した。今回の統合で、ポイントサービス間の再編を含む競争が激しさを増しそうだ。

【スポーツ】22歳のヤクルト村上宗隆、史上最年少で三冠王 プロ野球歴代8人目 (10/3.Mon)

 プロ野球セ・リーグは3日、レギュラーシーズンの全日程が終了。東京ヤクルトスワローズの村上宗隆内野手(22)が、打率、本塁打、打点と、打撃部門の主要タイトルを獲得し、2004年の松中信彦(ダイエー)以来18年ぶり、史上8人目の「三冠王」に輝いた。22歳での三冠王は最年少。村上はこの日のDeNA戦で歴代単独2位となるシーズン56号本塁打も放った。村上は、熊本・九州学院高から2017年秋のドラフト1位でヤクルトに入団。プロ5年目の今季は、打率3割1分8厘、本塁打56、打点134の成績を残した。シーズン56号本塁打は、1964年の王貞治(巨人)らを超える歴代2位の記録。8月には、プロ野球記録の5打席連続本塁打を2試合にわたって達成。史上最年少での通算150号本塁打に到達するなど、ファンの注目を一身に浴びる活躍で、チームのリーグ2連覇にも大きく貢献した。

【国際】北朝鮮がミサイル発射 日本上空通過、飛距離4600キロは過去最長(10/4.Tue)

 北朝鮮が4日午前7時22分ごろ、内陸部から弾道ミサイル1発を東方向に発射した。7時29分ごろに青森県付近の日本上空を通過し、7時44分ごろ、太平洋上の日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定される。日本の上空を通過するのは、2017年9月15日以来。岸田文雄首相は4日午前、記者団に「最近の度重なる弾道ミサイル発射に続く暴挙で、強く非難する」と述べた。政府は発射直後に全国瞬時警報システム(Jアラート)で国民に情報を伝え、避難を呼びかけた。Jアラートの発動は17年9月以来。松野博一官房長官は4日午前の記者会見で、ミサイルの飛距離は約4600キロ、最高高度は約1000キロと推定していると発表した。飛距離は過去最長。通常軌道であることも明らかにした。2017年9月に北海道上空を通過したミサイルは、最高高度約800キロ、飛行距離は約3700キロだった。

【国際】ノーベル平和賞にベラルーシの人権活動家とロシア、ウクライナの団体(10/7.Fri)

 ノルウェーのノーベル委員会は7日、2022年のノーベル平和賞を、ベラルーシの人権擁護活動家アレシ・ビャリャツキ氏(60)、ロシアの人権団体「メモリアル」、ウクライナの人権団体「市民自由センター(CCL)」に授与すると発表した。ロシアのウクライナ侵攻が長期化する中、ロシアやベラルーシ当局の弾圧に屈せず、人権侵害を監視し、民主化や民主主義の促進を求めてきた姿勢が評価されたとみられる。ノルウェー・ノーベル委員会のライスアンデシェン委員長は会見で、この3者に授与することで「国境を接し合うベラルーシ、ロシア、ウクライナにおける、人権や民主主義、平和共存の優れた擁護者3者を称えたい」と述べた。「彼らは、人権の価値、反軍国主義、法の原則を支持する一貫した取り組みを通じて、国家間の平和と友愛という、今日の世界が最も必要としているアルフレッド・ノーベルのビジョンを復活させた」とも述べた。
 
【国際】「クリミア、橋、始まり」特別作戦か 半島とロシア結ぶ唯一の橋爆発(10/8.Sat)

 2014年にロシアが一方的に併合し、実効支配を続けるウクライナ南部クリミア半島とロシアを結ぶ「クリミア橋」で8日早朝、大きな爆発が起きた。橋は閉鎖され、プーチン大統領が原因について調査委員会の設立を命令した。複数のウクライナ・メディアは、ウクライナの治安機関が工作を仕掛け、爆発させたと伝えている。ロシア国営ノーボスチ通信によると、同国の連邦捜査委員会は同日、爆発で3人が死亡したと発表した。クリミア半島はロシアが併合後、軍備を増強。2月からのウクライナ侵攻ではウクライナ南部を占領したロシア軍に兵員、兵器を補給する重要拠点になってきた。クリミア橋はロシア本土と結ぶ唯一の橋だ。
 ウクライナの首都キーウを含む複数の都市が10日朝、ロシア軍の大規模なミサイル攻撃を受けた。ウクライナ当局によると少なくとも98人が死傷した。ロシアのプーチン大統領は同日、ウクライナに「大規模な攻撃を実施した」と明言した。ロシアが併合したウクライナ南部のクリミア半島にある「クリミア橋」で8日に起きた爆発をウクライナ側の「テロ」と断定し、反撃したと主張した。(10/10.Mon)

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