2013年07月18日

産業用ロボット世界一は日本の地方企業

テーマ:経済

ニュースのポイント

 「中国ロボットブーム」に乗って、日本の産業用ロボットメーカーが中国に進出しています。産業用ロボットは、日本が世界に誇る最先端技術の一つ。「世界4強」のうち2社は日本の地方企業です。みなさんの地元にも、世界トップクラスのシェアをもつ企業がきっとありますよ。

 今日取り上げるのは、経済面(9面)の「産業用ロボ/中国で引っ張りだこ/日本メーカー売り込み競争」です。
 記事の内容は――自動車工場などで溶接や塗装をこなす産業用ロボットが中国で引っ張りだこだ。今年2月、不二越(富山市)が日系企業初の大型ロボット工場を中国に建設。5月には世界シェア1位の安川電機(北九州市)も新工場を稼働させた。産業用ロボット「世界4強」は、安川電機、ファナック(山梨県)、スイスのABB、ドイツのKUKA。ABBはすでに進出、KUKAの新工場も12月に動き出す。4強のうち3社が中国で生産拠点を持ち競い合う。相次ぐ進出は「世界の工場」と呼ばれる中国で「工場のロボット化」が本格化してきたため。背景にあるのは人件費の高騰。最低賃金は年10%以上伸び、上海では4年でおよそ70%上昇した。産業用ロボットの中国での導入台数は2011年に2万2000台で前年の1.5倍に増え、15年には世界最大の3万5000台になるとの予測もある。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 日本は世界有数の「ロボット大国」。日本ロボット工業会によると、世界の産業用ロボットは3分の2が日本で生産され、3分の1が日本で稼働しています。産業用ロボットは、主に自動車や電子部品の工場などで使われます。かつては溶接用だけでしたが、今では塗装、運搬、箱詰めなど用途は広がっています。

 国内の2強が「世界4強」にも名を連ねる安川電機とファナックです。安川電機は1977年に日本で初めて産業用ロボットに参入し、現在、売上高1000億円で世界シェアトップ。ファナックは工作機械用のNC(数値制御)装置で世界首位です。ほかにも、ロボットの関節に使う精密減速機で世界トップのナブテスコ(東京・千代田区)など、高い技術力をもつ関連部品メーカーが国内にはたくさんあります。

 今日登場した複数の企業が地方都市に拠点を置いている点にも注目してください。東京や大阪、名古屋といった大都会だけでなく、地方都市にも世界に誇る優良企業があります。地元や出身地の企業を調べてみましょう。下記の日本ロボット工業会のホームページ(HP)には、統計データや事例紹介など参考になる資料が満載です。各社のHPものぞいて、業界・企業研究に活用してください。

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