2013年07月17日

参院選で沸くネット・IT業界

テーマ:政治

ニュースのポイント

 ネット選挙解禁された参院選に、ネット・IT業界が沸いています。政党や候補者のネット戦略立案、ビッグデータの情報分析、ネット広告、セキュリティーなどビジネスチャンスが広がっただけでなく、選挙を通じて社会や政治へのネットの影響力拡大も狙っているようです。

 今日取り上げるのは、2面の「ビリオメディア 選挙@ネット/得票占う検索数/業界、政治に急接近」です。
 記事の内容は――「ヤフージャパン」は、ネット上の大量のデータを解析するビッグデータ分析による参院選の政党別議席獲得予測を発表した。自民、公明両党が過半数をうかがう勢いという、大手メディアの情勢調査結果とほぼ一致。ヤフー執行役員は「ネットに広がるのは現実と等身大の世の中」と語る。ネット広告やセキュリティーなど選挙関連ビジネスを展開する企業の株価は高騰した。ソーシャルメディア分析サービス「ホットリンク」の内山幸樹代表取締役社長は「選挙をきっかけに、ネットに現れる国民の声を聞く重要性を、政治が認識するようになる。その強い影響力に期待している」と言う。超党派の8候補を支援する「楽天」の三木谷浩史会長兼社長は「党派を超えて規制改革、若者やベンチャーの味方をしてくれる人を参議院に送りたい」と演説した。ドワンゴ、ヤフー、サイバーエージェントなど7社は共同で選挙番組を企画するなど業界内で連携の動きも。ニコニコ動画を運営する「ニワンゴ」の杉本誠司社長は「ニコ動が人の集まる環境を作り、政治家が発信する装置としての役割も担いたい」と話す。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 公職選挙法が改正され、今回の参院選から、公示後の選挙期間中も政党や候補者はホームページ(HP)やブログを更新し、ツイッターやフェイスブック(FB)などの交流サイト(SNS)で情報発信することが認められるようになりました。HPで「比例代表は○○党に」と呼びかけたり、ツイッターで「私に一票を」とつぶやいたりできます。街頭演説の告知や動画配信もでき、有権者にとっては、時や場所を選ばずに候補者の生の言葉に触れられるようになりました。各党の党首や候補者は連日、FBに選挙運動の様子を書き込んだり、ツイッターでつぶやいたり。これまで公示後はHPの更新すらできなかったのですから、ネット上の選挙風景は様変わりしました。

 ネット・IT業界にとっては大きな商機です。ヤフーのような大手のトップページに広告を出せば1週間で5000万円かかることもあるらしく、ビッグデータ分析のコンサルタント料は1000万円からとも言われます。FB活用プラン、セキュリティー対策など、企業がネット選挙を支えています。手探りで始まった今回の参院選のネット選挙市場は数億円規模とみられていますが、今後急激に膨らんでいくのは間違いありません。業界の政治的な影響力も増していくでしょう。今後の展開に注目です。

 韓国ではネット選挙で若者の投票率がアップしたと言われています。みなさんも、得意のネットから参院選にアプローチしてください。ネット選挙で有権者や政党、候補者が「できること、できないこと」は、朝日新聞デジタルの「ネット選挙がわかった!」を見てください。

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