2013年07月12日

ものづくりを変える「3Dプリンター革命」

テーマ:経済

ニュースのポイント

 3Dプリンターを使って、自分だけのアクセサリーや置物を作れるサービスが始まりました。「つくりたいもの、ほしいもの、ネットから3Dプリント」をうたい文句に、IT大手の「DMM.com」が始めた新事業です。3Dプリンターは、複雑な構造のものでも簡単につくれるため、ものづくりの世界を根本から変えるとも言われています。「3Dプリンター革命」に注目です。

 今日取り上げるのは、経済面(8面)の「あなたのアイデア形にします/3Dプリンターで製作サービス」です。
 記事の内容は――「DMM.com」は、石膏(せっこう)や樹脂で立体物を作り出す3Dプリンターで、個人が設計ソフトで作ったデータを「実物」にするサービスを始めた。客が市販の設計ソフトで設計図を作り、同社の専用サイトからデータを送ると、最短7日で自宅に届く。着色もでき、銀やチタンでも作ることができる。価格は素材やサイズによって一つ数千円~数万円。量産もでき、個人がヒット商品を生み出すことも夢ではなくなる。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 3Dプリンターは、コンピューターにデータを入力すればインクジェットプリンターの原理で樹脂や金属を何層にも塗り重ね、立体的な製品をつくりだせます。大量生産には向きませんが、主に試作品づくりに用いられ、作製時間短縮やコスト削減に役立ってきました。高機能の機種は数千万円しますが、近年、数十万円の低価格機が登場して急速に普及し始めました。家電や自動車、航空機の部品、人工骨、フィギュアなど、何でもつくれますが、アメリカの団体が銃の設計図のデータをネットで公開して世界を騒がせました。米メーカーが先行しており、「製造業復活」を掲げるオバマ米大統領は、今年2月の一般教書演説で3Dプリンターに言及し、「製造業の革命は米国から始まる」と宣言しました。

 一方で、高い技術力を誇る日本の金型メーカーにとって、3Dプリンターは今後大きな脅威になりそうです。金型は、原料の樹脂を流し込んで固め、様々な形の部品を大量生産するための土台。小さく複雑な部品生産に使う金型の場合、マイクロメートル(1ミリの1千分の1)の高い精度や強度が求められ、熟練した技が必要です。製作に1カ月、数千万円かかるものもありますが、一度つくれば低コストで部品を大量生産できます。金型専業メーカーの9割を占める社員20人以下の中小企業が日本のものづくりの品質を支えてきました。ところが、3Dプリンターがあれば熟練工がいなくても金型を簡単につくれます。実際、電機大手パナソニックが6月に、家電の部品をつくるための金型を3Dプリンターで作製して生産コストを3割削減する方針を掲げ、金型業界に衝撃が走りました。
 
 まだ3Dプリンターの精度は熟練工のレベルには達していませんが、今後、技術が向上していくのは確実。業界には、3Dプリンターのノウハウを吸収しようとする動きや、「積極的に利用すれば新たな技術が生まれる可能性もある」との声も出ています。

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