(写真は、米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO)
(写真は、米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO)
何ができるの?
あなたはヨーロッパの地方都市でボランティアをしていますが、お金が足りなくなってしまいました。この街には、使える銀行の支店がありません。スマホを取り出し、FBのメッセージアプリ「メッセンジャー」で日本にいる親にリブラでの送金を頼みます。しばらくすると親からリブラが送られてきて、さっそく街中のコンビニでユーロに換金することができました。
海外送金はこれまで金融機関が一手に握ってきました。プラットフォーマーの一つであるFBが送金や決済に本格参入することで、世界の個人間のお金のやりとりが大きく変わる可能性があるのです。世界のFB利用者は27億人。新たな「リブラ経済圏」が生まれるかもしれません。発展途上国などには銀行口座を持たない貧困層が17億人いるといわれますが、こうした人たちもスマホさえあれば金融サービスを利用できるようになります。
ビットコインとの違いは?
各国が警戒
リブラを知ることこそ「生きた業界研究」
「誰にいくら送った」「どこで何を買った」といったデータは個人情報の根幹です。FBは大規模な個人情報流出が繰り返し問題になってきました。さらに、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロリストへの資金供与に使われたりする恐れも指摘されています。
FBは2020年上半期にリブラを発行する予定でしたが、こうした動きを受けてマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は24日の電話記者会見で「(リブラを)始める前に、規制当局のすべての懸念に対処する」と答えました。発行時期にはこだわらず、中身が多少変わっても何としても実現させる意向です。
リブラがつくられることになったのは、今の金融システムの使い勝手が悪いからです。海外送金などの手数料は高く、時間もかかります。G7では、リブラに関する議論を通じて、既存のシステムを改善する必要があるとの「反省」も共有しました。金融やIT系を志望する人は、リブラ誕生の背景を考え、今後のニュースをチェックしてください。今の金融システムの問題点や課題が見えてきます。これこそが「生きた業界研究」です。
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2022/05/22 更新
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