2013年07月03日

ビッグデータを活用せよ ビジネスから政治まで

テーマ:社会

ニュースのポイント

 みなさんのツイッターでのつぶやきやフェイスブックの書き込み、ネット通販や検索の履歴、お店で使うポイントカード……。ネット上の膨大なデジタル情報「ビッグデータ」の活用が、商品開発、広告、防犯、防災、政治などさまざまな世界に広がっています。新たなビジネスがどんどん生まれる一方、プライバシー保護という課題も抱えています。

 今日取り上げるのは、2面の「ニュースがわからん! いま注目されているビッグデータって何?」です。
 記事の内容は――インターネット上で日々生まれるデジタルデータが爆発的に増え、それらを瞬時に分析する技術も発達。誰がいつどこにいたかの位置情報も加わり、活用の可能性が一気に広がった。全ての情報を扱えるため、サンプル調査と違って重要な情報を見逃さない。例えばネットでの検索履歴とネットショッピングの買い物記録を組み合わせると二つのデータの間の関係がざっくりわかり、誰かがある単語を入力した瞬間にもっとも効果的な広告をネット上に表示できる。一方でプライバシー保護は重要な課題。NTTドコモは個人を特定しないで携帯電話の位置情報を集め、その地域にどんな人が何人いるか割り出す研究を進める。防犯、防災、政治まで、いろいろな分野で活用する試みが始まっている。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 ビッグデータは最近、新聞やテレビでよく取り上げられるので耳にしたことがあると思います。ネットやソーシャルメディアのほか、携帯端末の全地球測位システム(GPS)、ポイントカード、IC乗車券の利用履歴、カーナビなど、私たちの行動記録が日々ビッグデータとして蓄積されているのです。

 ビッグデータの活用は、新たなビジネスチャンスとして注目されています。コンビニのローソンは、誰がいつ何を買ったという購買履歴をポイントカードで分析し新商品開発に活用。20日足らずで100万食を売った焼きパスタなどヒット商品を生み、新浪剛史社長は「カードを使った情報分析が今後は命」と言います。ソフトバンクの孫正義社長は、検索大手ヤフーの利用者の性別や年代、携帯電話の通信会社などから「(ソフトバンクに)乗り換えそうなユーザーに絞ってバナー広告を打っている」と明かし、「氾濫(はんらん)する情報から宝を見つけるためにさまざまな科学的検証を重ねている」と語りました。

 記事には、世界のビッグデータの量が、2005年0.13兆ギガバイト→10年1.2兆ギガ→15年8.5兆ギガ→20年40兆ギガと、雪だるま式に増えていく図が載っています。これからも、今は思いつかないような様々なビジネスが生み出されていくことでしょう。一方で、ビッグデータは一人ひとりの個人情報の積み上げですから、使い方によってはプライバシーの侵害に直結します。このため政府もビッグデータの活用を促進するため、個人情報保護などのルール作りを進めることを成長戦略に盛り込みました。

 今日の紙面では、参院選前のツイッターによる政治意識の分析記事「ビリオメディア」も大きく展開しています。みなさんも、ネットで検索するとき、SNSに書き込むとき、ポイントカードを使うときに、ビッグデータについて考えたり、調べたりしてみてください。

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